すでに4月時点で不起訴理由を知っていたはずの波田地克利

 組織内組織を構築し分派活動を繰り返したことで創価学会を除名された波田地克利(58)が教団を訴えている裁判で、今年4月26日、東京地裁で本人尋問が行われたことは既報のとおり。一方、同人が名誉棄損罪で刑事告訴され、東京地検による不起訴処分が決定されたのはその約1カ月前の3月25日のことだった。その上で冒頭の民事裁判において、東京地方検察庁(検察官名)の発行した不起訴処分の理由を説明した不起訴処分理由告知書(3月31日付)のコピーが教団側から証拠提出されたのは4月15日だった。そこには不起訴処分の理由が「嫌疑なし」や「嫌疑不十分」とは異なる「起訴猶予」であることが明記されており、波田地側の弁護士は本人尋問の前にそのことを知っていた。当然ながら原告本人である波田地も、同時期にそのことを知らされていたはずである。事実、本人尋問で不起訴処分のやりとりもなされていた。
 にもかかわらず、波田地グループなどの除名者・脱会者がたむろするインターネット匿名掲示板「宿坊」では、不起訴処分の事実だけが取り上げられ、まるで波田地が正義の人であるかのような言説が振りまかれた。自身にとって都合のいい情報を拡散(あるいは黙認)し、都合の悪い情報を隠す(あえて言わない、知らせない)のは、除名者らに共通する心理のようだ。
 ご存じのとおり、「宿坊」板は、除名者や脱会者が身を寄せ合って生きる掲示板である。あるいは全体状況が見えないまま「勘違い」して投稿する、本質的に情報弱者のための“寄せ集め”板にほかならない。
 除名者の心理としては、自身の正当性を主張したいという根本的欲求が強い。そのために利用されている板といってもよい。そのせいか、本来的には彼らにとっても敵であったはずの妙観講の機関紙ですらとくとくと引用してやまない、似非学会に堕した存在といえよう。

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