20年で機関紙が「半減」した共産党

28日付の朝日新聞が社会面で共産党機関紙「赤旗」をメディアとして分析していた。「桜を見る会」をめぐる日曜版のスクープがジャーナリスト団体の賞を受けたことなどが紹介されていた。その記事の中で私がおやと思ったのは、赤旗の購読者数について記述した部分だ。「現在の購読者数は日曜版を合わせて公称で約100万人。赤旗編集局によると、00年には200万人だったが、04年は173万人、10年には145万人に減ったという」。ここで書かれていることは、機関紙読者数が20年前に比べ、《半減した》という明確な事実だ。これは驚くべきことである。通例、赤旗部数の目安は人数でなく、部数ではかるものと思われるが、「公称約100万部(日曜版含む)」なので、実際はすでに3ケタの大台を割っていることは明らかだ。いつも繰り返すことだが、2年後に迫った創立100周年まで残りわずかの段階で、同党の足元は危機的な現状にある。そんな同党にあって最後の唯一の望みと思われるのが、初めての政権入りだ。立憲民主などとの野党連合による政権転覆に乗じた与党入りを模索するが、事はそう簡単ではない。一般には「独裁主義」につながると認識される共産主義の実現を綱領でうたう同党は、野党の中でも異端の存在にすぎないからだ。加えて志位委員長は委員長職が20年をすぎ、政界では「長すぎる」という目で見られている。かといって、書記局長の小池晃を後任とするのも心もとなさがつきまとう。大幅な機関紙部数減と、本質的な路線問題、後継者の問題…。同党の将来に明るい材料は少ない。

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