ファクトチェックの有効性

ファクトチェックは2008年の米大統領選挙の前に本格的に始まったものという。日本でも2年前の沖縄県議選くらいから地元紙で始まったようで、現在は毎日新聞をはじめ全国紙も同様の試みを行うようになった。「反知性主義」という言葉が生まれるくらい、現在は、見たいように事実を見る、見たいように歴史を見るという風潮が蔓延しており、ネット上にもフェイク情報がさも真実であるかのように混在して流通している。そうした中にあって、新聞社などの一定の信頼をもつ会社組織がその紙面などで自社の全責任を負って行うファクト・チェックは、この風潮を是正する意味でもとても貴重なものだ。

先日はフジテレビの上席解説委員なる人物がアメリカ大統領選挙に関する現地のデマ情報を鵜呑みにして発信し、訂正に追い込まれる事態が発生した。

ネット上の情報は真偽が定かでないものも多いため、なおさら、その真偽を見極めるための「眼力」が必要となる。有権者がそうした「眼力」を養ううえでも、ファクトチェックの試みは貴重なものだ。こうした取り組みを速やかに「採用」する新聞こそ、こんごも生き残っていくメディアだと考える。

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