共産党という権力への服従

朝日新聞の文化面で思想史家の渡辺京二氏の半生を振り返った連載が続いている。作家・石牟礼道子さんの編集者として知られる人物だが、18日付朝刊の回では、若き日に日本共産党の武装闘争(暴力革命)に加わった思い出話が語られていた。それによると、「阿蘇の山中に武装闘争の拠点となる洞窟を探そうと、汗みどろで駆け回っていた私や仲間たちは、滑稽というほかありませんでした」。要するに日本共産党が1955年に暴力革命路線の旗を降ろしたことで、ハシゴを外されたときの心境を綴ったものである。さらに「結局、私は敗戦から何も学んではいなかった」と回想し、戦中は軍国主義に、そして「戦後、今度はその夢を共産主義に託し、権力への服従を続けただけだったのです」と総括している。1956年、共産党との縁を切った。

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