お祭りの効用

9月1日は1923年に発生した関東大震災にちなみ「防災の日」となっている。昨年、五百旗頭真氏の『大災害の時代』を読んでいておもしろい事実を目にした。1995年の阪神淡路大震災の際の死者は圧死が多数を占めたが、地域によって埋められた生存者をその日のうちに全部助け出した地区と、そのままほったらかしにされた地区とに2分されたという。

自治体関係者の複数の証言によると、その理由は明白だったという。答えは、その地域に「まつり」があるかどうかだった。地域共同体が苦労して一つになり、血を通わせる唯一の機会が「まつり」というわけだ。お祭りの意義をこうしたところに見つけ出したのは、ひとつの収穫だった。その意味でも、地域の「まつり」は大切にされなければならない。

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