「破綻」して久しい日本共産党「綱領」

日本共産党の歴代委員長は「日本共産党ほど綱領を大切にしている政党はない」旨これまで豪語してきた。だが実際は同党の綱領はすでに完全に「破綻」した状態にあることをご存じだろうか。同党はそうした真実を隠しながら、いまも生きながらえている存在にすぎない。

同党には暴力革命を裏づける「1951年綱領」、宮本顕治を中心に作成した「61年綱領」、さらに不破哲三を中心に作成した「2004年綱領」の大きく3種類がある。

「51年綱領」は現在の同党にとっては煙たい存在なので綱領とはみなされていないが、れっきとした7年間にわたる同党の正式綱領にほかならなかった。また「61年綱領」では世界の半数近くが社会主義勢力であると声高に誇り、いずれ資本主義は敗北する旨が記載されていた。だがその後、社会主義の中心であったソ連が崩壊し、東欧もつづいた。「2004年綱領」ではそれを受けて、ソ連・中国と戦ってきたのは日本共産党であると論理転換され、これまで社会主義に達した国は存在しなかったと驚くほどの「二枚舌」を使用した。

そのうえで、「社会主義をめざす国」として、中国、ベトナム、キューバが言及された。現在の志位執行部が手がけた「2020年改定綱領」では、その中国をさらに「社会主義をめざす国」から除外した。

要するに中国は、日本共産党の綱領によれば、「社会主義国」(61年綱領)⇒「社会主義をめざす国」(2004年綱領)⇒「社会主義をめざす国ですらない」(2020年改定綱領)と変遷してきたことになる。

こんないい加減な綱領があるだろうか。それでいて同党は「科学的社会主義の政党」などとうそぶいている。

現在の綱領では「テロ撲滅」を謳っているものの、「1951年綱領」ではそのテロを容認し、日本共産党はそれらを自ら実行する存在だった。以前はソ連の原発を天まで持ち上げていたが、2011年の福島第一原発事故以降は「原発ゼロ」に転換した。

状況に合わせカメレオンのように都合よく変化してきた同党の綱領。日本共産党の本質はハッキリしている。

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