共産党の「漁夫の利」政党としての胸中

日本共産党中央機関紙『しんぶん赤旗』が本日付の3面で、党東京都委員長の談話を大きく掲載した。そこでは、石原都知事時代になされた豊洲移転問題で東京都側のウソとごまかしを追及してきた唯一の政党が自分たちであると自賛し、一方で自民・公明は改革に背を向け続けてきたと非難している。さらに今回の都知事選の対立軸が「小池知事」対「都議会自民党」にあるかのように報道されているのは間違いであり、本当の争点は「共産党」対「自民・公明」である旨を強調している。

共産党は前回の都議選で8議席から17議席へと倍増。背景には国政で民主党政権が見放され、その余波が都議会におよんで都議会民主党が激減したことがあり、同党は漁夫の利をさらったにすぎなかった。

都議選の歴史をさかのぼると、共産党が過去最高議席を獲得したのは1997年。公明党の24議席を上回る26議席を獲得した過去がある。だがこれも国政において55年体制の一角であった日本社会党の議席が激減し、都議会にも同じ構図が波及した結果、社会党が目減りした分を共産党がここでも「漁夫の利」をさらった結果にすぎなかった。

さて今回は、「小池新党」が同党の前に大きな脅威として立ちはだかる。小池知事にお株を奪われた形で、共産党の従来型のパフォーマンスは十分に機能していないように見える。それでも「小池知事」VS「都議会自民党」の構図の中で、自民党が減る分の一部を、これまたかすめとろうとする戦略を持っていることは明らかで、今回の都議選でも「漁夫の利」政党の面目を果たしそうな勢いだ。

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