産経新聞が盛んに石破首相が前向きになっていると見られる「戦後80年首相談話」の発出に反対の声をあげている。今のところ全国紙5紙の中では産経唯一の主張だ。本日付1面の「産経抄」では「新談話を出せば反日勢力に利用されよう」と述べているが、ここが彼らの反対する理由の根幹と見られる。ただ、彼らの主張してきた1937年の南京陥落の際の旧日本軍の大規模な虐殺行為や集団レイプ行動を「完全否定」する主張は、およそ歴史学の知見においても認められる余地はなく、例えていえば外野で遠吠えしている野犬の群れの姿でしかない。逆にこのような事実に基づかないファクト無視の主張を言論機関である新聞社が行ってきたことにより、日中間に《無用な摩擦》を生み、歴史戦に悪用されている実態こそ犯罪的と言わざるをえない。彼らがこのような虚偽主張をつづける限り、日中関係の前向きの進展にはブレーキがかかり続ける。彼らはその事実を真摯に受け止めるべきであり、こうした状況にきちんと楔を打つ意味でも、「戦後80年首相談話」は大きな意味をもつものと私は考えている。