“執行部を倒せ”と扇動して逆に自分が召し取られてしまった波田地

 波田地側の主張によると、同人はグループのメーリングリストを15年近く使用。オフ会なる会合も20年以上継続してきた。今回の判決文には同人が使った造語としては「悪の三位一体」「魔のトライアングル」などが出てくる。除名通知に不服を申し立てた後に開かれた監査審査会で、波田地はそのような主張内容について「自身の信念である」旨を申し述べたことが認定されている。要するに、自分の関わるメーリングリストあるいはオフ会などを使って、執行部批判の主張を≪信念として続けてきた≫ことを裏づけている。
 その根幹にあったのが、自身が鳴り物入りで裁判を起こし、実質敗訴した「波田地裁判」にあったことはここで何度も紹介してきた通りだ。その結果、弁護士グループ、報恩社、学会幹部らに対して個人的な怨念を強めたわけである。今回の判決文によると、「原告の不信感は頂点に達した」と認定されている。要するに、日蓮正宗・妙観講を自ら訴えて実質敗訴してしまったことで、自身のボルテージが“失速”し、配下のグループ員への手前もあってか矛先を学会執行部等に切り替えたというわけだろう。執行部の批判をするヒマがあったら、きちんと自らの戦いに決着をつけよという声も聞こえてきそうだが、同人は決してそのような行動を取り続けることはなかった。
 上記のメーリングリストでは、自分たち波田地一味を“本物の弟子”に見立て、「本物の弟子たちによってYらを倒さないといけない」など、一味の中核メンバーらに声高に呼びかけていた事実がある。ここで出てくる「Yら」は、八尋弁護士、谷川副会長、秋谷前会長などを指す。また「四人組」なる造語も、同人の周辺から出てきた言葉である。
 一方で、こうした同人の動きに同調した教団の本部職員もいた。複数の問題を起こして懲戒解雇および除名になったいわくつきの元本部職員・田口伸明である。裁判では、波田地はフライデーへの情報漏洩疑惑を打ち消すために、「田口とは2013年6月にある一件で仲違いし、距離を置いている(=交信を絶たれた状態)」などと言い逃れしていたが、これらの主張が裁判所に認められることはなかった。
 結局、“執行部を倒せ”と号令をかけた張本人は、自ら裁判を仕掛けながら、逆に召し取られてしまった。還著於本人(げんちゃくおほんにん=法華経の行者を謗り害しようとする者がかえって自身にその果報を受けるようになること)とは、まさにこのことだろう。

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