中国には明確なメッセージが届いていない

昨日付日経新聞に中国問題に関するわかりやすい識者の声が掲載されていた。早稲田大学の青山瑠妙教授による「曖昧なメッセージ 禁物」というタイトルの主張で、それによると、「尖閣周辺の事態と相反するように見えるが、今の中国に日本との関係を悪化させる意図はない」と指摘し、その上で「問題は中国が日本の国内世論を完全に見誤っていること」と述べている。つまり中国は日本で対中感情が悪化している事態を甘く見ているというのだ。その上で、「尖閣周辺で偶発的な衝突はあってはならない」と主張している。なぜなら偶発的な衝突が起きれば、国内世論と緊張が一気に高まり、両国が抜き差しならない関係に陥ってしまうことを懸念している。現在、日本でも中国に対する印象は非常に悪い。極右勢力が緊張を煽っていることも一因としてある。だがリアルに必要なことは、正面衝突をどう回避するかだ。進軍ラッパのような主張は威勢だけはいいものの、総じて愚か者としての結果しか生まない。人間力を含む総合的な知恵の発揮しどころである。

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