空手随想 5 

45歳からの手習い

「不惑」の年をすぎた45歳から、私は空手を始めた。正確には再度挑戦してみた。

最初にもっとも感じたことは、空手道場に来る生徒層の変化である。30年前は血気にはやる10代の若者がほとんどであったのに対し、子どもがやたらと増えていた。「少年部」が設置されており、子ども向けの試合が日常的に行われていた。試合といえば、壮年向けの試合も多く用意されていた。30年前、試合というものはなきに等しかった。「生徒層」と「試合」。これがタイムスリップしてきた私にとっての、大きな驚きだった。

また子どもだけでなく、女性も増えていた。それだけ極真空手が大衆化したということだろう。逆にいえば、そうでなければ経営的に成り立たないという側面もあるかもしれない。社会的にいえば、広い意味での教育啓蒙団体としての役割が付加されていた。空手が武道の一種であることは間違いないので、礼儀作法を含め、青少年への教育効果は高いといえる。

ともあれ、45歳からの私の手習いは、ガチガチに固まっていた肉体をほぐすことから始まった。開脚の柔軟運動も当初は90度すら開かなかったが、それから7年以上すぎて、いまでは180度には及ばないものの、150度くらいにはなっているはずだ。その意味では、人間における「柔軟性」の回復は、年齢にはあまり関係ないものと感じている。

 

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