共産党は「反戦平和の党」といえるのか

本日付の「しんぶん赤旗」に、「95年、反戦平和貫く党大きく」の見出しが出ていた。戦後間もない時期、火炎瓶を投げて、武力革命を志した過去を持つ政党が、そのような主張をして恥ずかしくないのかと考えるのは私だけだろうか。

日本共産党は、1922年、ソ連共産党が指導する共産主義政党の国際組織「コミンテルン」の日本支部として結成された出自をもつ。そのためか、ソ連が原子力発電を開発した際は、アカハタ紙上で大翼賛し、さらにアメリカの核実験はダメだがソ連の核実験はよいなどと主張した過去をもつ政党である。その共産党が、いまでは原発廃止、さらに核兵器禁止条約の採択現場まで志位委員長自ら乗り込み、PR活動に躍起である。

過去の共産党の姿を知っている人がタイムスリップして現在の姿を見れば、同じ政党と思う人は少ないだろう。

結論として、共産党はそのときどきの社会情勢に合わせ、カメレオンのように自己の主張を自在に変化させてきた「実績」をもつ。要するに、科学的でもなければ、普遍性もない。その存在自体が、環境に合わせて自身を変化させてきた「生き物」にすぎない。

他国共産党との関係においてもそれは明白だ。兄弟党であった北朝鮮を今では批判し、最近はノーベル平和賞を受賞した中国作家の死去に際し、中国に対し「人権の国際取り決めを中国は遵守すべきだ」などと赤旗紙上で主張している。

言うまでもなく、共産党は日本の国政において「与党」となった経験を持たない、珍しい政党である。言いたい放題でも許される「万年野党」の代表であり、実体政権を担う苦しみを一度も経験したことがない。気楽な立場から、中国に対してもしたり顔で批判している。

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