コラム日記 - 記事一覧
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2024/7/25 8:34
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日本最大のマイノリティ
本日7月25日は日本で女性差別撤廃条約が発効した記念日という。1985年のことだったので39年前の出来事だ。わずか80年前にこの国では女性に選挙権もなく、法的には男性の従属物にすぎなかった。戦後、法的には平等となっても、いまも多くの不平等が残る。女性が日本社会で“最大のマイノリティ”と評されるのはそうした理由による。世界でもジェンダー平等指数は下から数えたほうが早い日本は、先進国では断トツの最低レベルだ。このような世界から取り残された精神的“未開社会”の最大の政策的課題は何か。この問題を世界水準に近づけることに尽きる。米国で「ほぼトラ」「確トラ」から「ほぼハリ」に推移しつつある現在、日本でも求められる宰相像は、女性の権利拡大に貢献できる人物であることが望ましい。上川陽子外務大臣に期待が集まるのは、本人にその意思があり、ぶれない遂行力があると期待されているからだろうと感じている。
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2024/7/24 6:15
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サイコパスと非サイコパスの戦い
「ほぼトラ」「確トラ」などと訳知り顔で語っていた政治家や言論人の顔が浮かぶ中、“バイデン撤退・ハリス一本化”の流れに、「ハリス氏の勝算の可能性は結構ある」(グレン・フクシマ氏)や「今後の選挙戦は抜きつ抜かれつの展開になるだろう」(前嶋和弘上智大教授)などアメリカ大統領選挙をめぐる様相は一変したかのようだ。ハリス副大統領は早くも元検察官VS犯罪者の戦いとなることをアピール、黒人や移民、女性、マイノリティの支持を大きく広げそうだ。一方のトランプ陣営は副大統領候補が早くもあからさまな女性差別の言葉を述べるなど、女性票を減らしそうな勢いだ。民主党にあってハリス副大統領はそれほど人気があった人物とされていないが、トランプ氏が返り咲くことへの恐怖が、民主党内の団結力を増していることは明らかと思える。もはや民主主義擁護の戦いと同一レベルの戦いになっている。筆者個人の見解では、サイコパス(良心の呵責をもたない異常人格者)に再びアメリカを任せて社会をボロボロにしてしまうのか、そうはさせまいとする人間の良識側との戦いと信じている。
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2024/7/23 10:38
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カマラ・ハリスの真贋
昨日からアメリカ大統領選の一方の民主党の動きが国際ニュースだ。バイデン大統領の後継候補になる見込みとされるカマラ・ハリス副大統領は州知事などの行政トップの経験がない。そのためか、副大統領に就任して最初に任された移民対策で結果を出すことができなかった。さらに部下へのパワハラ疑惑でスタッフが大量離職したことがいまの不評につながっている。それでも最近は人口中絶問題や女性、黒人、LGBTなどの性的少数者に寄り添う姿勢で「評価が高い。格差是正にも積極的」(本日付日経)と評されている。同記事は「政治経験や統率力が課題」とも端的に指摘する。副大統領は1964年10月20日生まれの59歳。個人的には私も同学年だ。つまり、日本人拉致被害者の横田めぐみさんも同じ年齢である。ハリス氏は自分より半月早く生まれた日本人の女の子が13歳のときに突然北朝鮮に連れ去られ、その後解決していないこの問題を、同学年の女性としてどのように感じるだろうか。
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2024/7/22 7:15
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元検事と犯罪者の戦い
今朝はわりかし早く目が覚めると、バイデン撤退のニュースが流れていた。副大統領のカマラ・ハリスを後継者に指名したという。ハリス副大統領は部下がすぐ辞めてしまうなどさまざまな人気のない事情が報じられてきたが、最近は、中絶廃止に反対する主張で支持を広げている旨の報道があった。大統領選を戦う予定の2人はさまざまな言い方はできるにせよ、端的には犯罪者と、元検事との戦いになる。この状況設定は非常にわかりやすいもので、今後の選挙戦に一定の影響を与える可能性がある。米国の大統領がどちらになるかで、アメリカの将来だけでなく、世界の将来も大きく変わる。トランプが仮に勝利すれば、米国の分断はさらに強化され、その影響は世界中に及ぶ。民主主義の破壊も一層顕著に進むだろう。長い目で見て世界によい影響を与える可能性は少ない。まして彼は現在4件の刑事裁判で起訴され(1件は有罪判決、1件は却下、2件はいまだ審理が始まっていない状態)、すでに有罪判決も出ているれっきとした犯罪者だ。サイコパスが特異な才能を有する面は事実として認めても、それでも全体として見た場合、やっていることはかなりいい加減だ。
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2024/7/21 10:53
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遊就館が示す自慰史観
本日付の産経コラムに「靖國神社・遊就館で学ぼう」という文章を目にした。そこで次のように書かれている。「もうすぐ終戦から79年の夏を迎える。国のために戦った戦没者=英霊をしのび、その尊い犠牲の上に今の平和があることを感謝し、平和への誓いを新たにする場所は、靖国神社がもっともふさわしいと強く思う」。まず前提として、靖国神社には国のために戦った戦没者が「全員」祭られているわけではない。総力戦として戦わされた80年前の戦争において「国のために戦った戦没者」の定義は簡単でない。兵隊だけととらえるのは、大きな間違いだろう。まして兵隊が戦争を続けるためにそれを慰安した女性たちなどもここには入っていない。都合のいい、戦争遂行のために造られた官製神社であることがこの事実からも明らかだ。結論するに、遊就館が示す歴史観は、未来志向のそれではない。日本人は正しかった、しっかり戦ったとの自慰行為に凝り固まった、言い訳に基づく歴史観にすぎないからだ。
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2024/7/20 9:42
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「赤旗」発行の危機
昨日付のしんぶん赤旗(日刊紙)に珍しい訴えが掲載された。機関紙活動局長が次のように訴えてゲキを飛ばしたからだ。「いま、この7月に、この流れを変えられなければ、『赤旗』発行は不可能になり、党の前進の基盤もなくなる危機の中に、私たちは立っている」。党の機関紙なのでこれらは党員向けの発信なのだが、長年赤旗を読んできた立場としても、“異例の呼びかけ”と感じる。かなり瀬戸際に来ていることは事実なのだろう。最盛時には350万部を誇った赤旗(日刊紙+日曜版)もいまでは100万部を割り、日刊紙も厚さがペラペラになっている。それでも対応としてはまだ足りないようで、党員らに毎月のように部数拡大のノルマを課しながら目標達成に至らないという悪循環が続いている。党の運動方針において抜本的な改革が必要なことは明らかだが、昨年2~3月、政治的理由から2人の有力党員をいきなり「除名」にした問題がいまもくすぶっており、党勢を大きく低下させる結果へつながっている。
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2024/7/19 9:32
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いま地球上に生きる意味
日常生活の中で時折、自分の存在について俯瞰的に捉える瞬間がある。この時代に、この場所で、人間として生きているという意味について考えるあるいは感じ取る瞬間である。地球上には現在、ホモ・サピエンスという種類の人類が生息しており、世界のいたるところで紛争を引き起こし、大量殺戮兵器を貯蔵し、環境を破壊し続ける。一見知能があり、理性的なような面をもつ半面、野獣の側面も併せ持つ。そうした現生人類の「矛盾」のはざまで、この地球上に生息する80億人の人類の運命が委ねられている現状がある。人類はこのまま生息を続けられるのか、あるいは極端には破滅へ向かうのかも定かでない。
そうした場所と、時代のあり方を考えるのは、仏教の根本思想に、輪廻や、生まれ変わりという考え方があるからかもしれない。いま現在、〇〇〇〇という氏名で生きている「自分」は、死んだあと、生まれ変わって、再び地球に生じるかどうかもわからない。宇宙には多くの生命体があることが予想され、さらに現在のホモサピエンスのような形態の人類と同じ形状である保証もない。極端にいえば男と女という形式上の2種類の生物でない可能性もある。そんな妄想を頭の中で廻していると、いまこの時代に、この地球上で生きている「意味」、さらにそこから逆算して自分は何をしなければならないのかという事柄を再確認した気になる。結論的にはそれは「日本」という小さな島国に囚われた発想ではありえない。共通する運命共同体として、全世界、全地球の未来のためという発想に向かわざるをえないからだ。日本が「人道立国」の先進国として振る舞えるようになるにはどうすればよいのか。まずは日本社会の抵抗勢力との関係が重要になる。平たくいえばそれは広い意味での「シャクブク」につながる。
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2024/7/18 8:58
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家父長的人権後進国
日本の精神的近代化がここまで遅れたのはやはり家父長的思想の蔓延によるところが大きいと感じる。政治的には安倍政権の確立とともにその種の勢力が政治力を増し、この国に一定の基盤を築いたように思う。これらの勢力はかつての「大日本帝国」時代の思想を踏襲するので、男女同権を嫌い、日本人以外を格下に置く。さらにかつての戦争加害を否定するのも特徴で、事実的根拠がありすでに歴史学会で確定しているような事柄についても「濡れ衣」などといって否定する。「濡れ衣」論の急先鋒はジャーナリストの櫻井よしこたちだ。これらの自称ジャーナリストたちは、事実に対する姿勢が通常のジャーナリストとは異なり、日本を高める要素は無条件に受け入れ、日本を貶める要素は事実かどうかに関係なく、色眼鏡で見ようとする傾向が強い。要するに客観評価をできない体質をもつ。平たくいえば「一国主義」、日本だけが素晴らしいという幻想の世界に生きたい人々といってもよい。こうした勢力が安倍政権時代にこの国に増大した結果、現岸田政権もそうした民意との間でフラフラしている面がある。だが「一国主義」はもはや世界では通用しない。男女同権(最近は「ジェンダー平等」など言っている)を徹底し、内外人平等を志向する国内政治を展開しないと、日本がいずれ行き詰まることは論理的にも明らかだ。打倒すべきは、家父長的体制を夢見るこうした勢力であり、具体的にいえば神道勢力、団体でいえば、日本会議と統一教会に絞られる。この2団体こそが、日本の健全な精神的成長を阻む元凶となっているのが、現代日本の実情と捉えている。
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2024/7/16 5:33
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6紙の新聞
本日は新聞休刊日なので朝はぽっかり穴が開いたような気分だが、通常なら在京6紙に目を通す。2つの日刊政党機関紙も読むので実際は8紙だ。だがこの生活も長くは続かないだろうと見ている。経営難などで無くなる新聞が出てくると予想しているからだ。個人的な感想では、6紙の中で最も特色があるのは産経と日経だ。産経は知られるとおり最右翼の立ち位置で、南京虐殺はなかった、慰安婦問題に問題はなかったといった歴史改竄も平気で行う側面がある。日経は欧米の新聞を真似ているのか、長めの評論記事に特徴がある。通常の記事も一般紙とは一味違う切り口を見せることが多い。他の4紙で特徴があるのは毎日だ。署名入り記事を最初に導入したのは同紙だし、定期コラムを中心として記者の個性がもっとも発揮されている新聞と感じる。東京新聞は最左派の立ち位置にある。この新聞は特報面に大きな特徴がある。最後に朝日新聞は特徴を指摘するのが難しい。10年前、安倍政治との闘いともいえた「慰安婦記事訂正」をめぐる騒動で、大きく信用を失うきっかけとなった。同紙はいまもこの問題の最終的な検証を行っていない。報道の使命から逃げていると感じるのは、私だけだろうか。
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2024/7/15 10:07
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「嘘つき」と暴力
大谷選手の大リーグ200号ホームランの日に起きたトランプ前大統領の銃撃事件。速報コメントしたTBS番組がトランプへの気遣いの言葉より先に今後の政治的影響に言及したことに「それでも日本人か」と罵倒するコメントがSNS上で散見された。私からすると、トランプ氏にとってそれは必然的な報いにしか見えない。なぜなら彼は複数の米国民をすでに間接的に殺害しているからだ。3年半前の2021年1月。米連邦議会に扇動された聴衆が押し入り、トランプ支持者4人を含む5人が命を落とした。あのとき、選挙結果を事実に反して覆すことを拒否したペンス副大統領は「ペンスを吊るせ(殺せ)」と怒りたける扇動群衆に発見される一歩手前だった(発見されていれば命がなかった可能性が高い)。さらにペロシ下院議長も同様の事態にあった。あのときこの2人の要人のどちらかが命を落としていれば、トランプ氏はとっくに「刑務所内」にいて、今ごろ選挙活動など行っていなかったはずである。あのときの群衆の行動を扇動したのは、まぎれもなく敗北の選挙結果を覆そうとしたトランプ氏自身だった。それはそのまま、民主主義否定の「犯罪(容疑)者」の行動にほかならなかった。実際、すでにこの件の刑事裁判は起こされ、彼は起訴されている。刑事裁判が進まないのは、彼が大統領選挙に立候補しているという特殊事情からにすぎない。今後、トランプ氏を過大ヒーロー化する風潮が強まることも予想されるが、事実関係を踏まえれば、殺害の「報い」を受けるような行動を繰り返してきたのは本人自身だ(私自身は暴力を肯定しているわけではない)。いずれまた似たような出来事が本人の身に起きるだろうと私は見ている。
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