コラム日記 - 記事一覧
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2025/11/18 9:21
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非自民非共産政権の遠望
年末解散の情報がチラホラと出ている。自民党は公明党代表が出ている広島3区にすら対立候補を出すとの報道があるので、自民党と公明党は「対決」の方向にむかう可能性が高い。衆院選挙は政権選択選挙なので、その場合、公明党は他の野党と協力関係を結ぶことになる。そこで立憲民主が比較第1党になることがあれば、公明党も入った形での非自民連立政権が現実味を帯びる。公明党の与党経験はすでに23年。旧民主党の3年3カ月よりずっと長い。そのため「まじめで、常識人ばかり」との評価が高い公明党議員の存在が大きな価値を生じるだろう。場合によっては、私の見立てでは1割程度の確率でしかないが、公明党に総理をという流れもゼロではない。その場合、閣僚経験もある斉藤代表が首相を務め、何をやるかを明確に示した上での政権になる。たとえば斉藤代表のライフワークである「核兵器禁止条約の批准」や「選択的夫婦別姓の実現」などだ。首相を出す場合はその女房役である官房長官を同じ党から出すのが通例だ。岡本政調会長が適役だと私は考える。同政調会長はまだ閣僚経験がないので、全省庁とのパイプをここで大きく作る機会となる。持ち前の人当たりの良さがすべてにわたって生きるはずだ。以上は同党支持者にとっては夢となるような話だろうが、いずれにせよ非自民非共産政権を樹立する事態となれば、首相は冗談に近い話としても、閣僚ボストは自公政権時代の「たった一つ」ではなく、3~4ポストが回ってくるはずだ。同党議員の経験としても、非常に重要な機会となる。自民党との連立に戻るべきとの意見が党内にはいまだあるようだが、自民中心の政権では「政治とカネ」の問題にメスを入れることは永遠に不可能だ。公明党の立党の原点がどこにあるかを考えれば、答えは自ずと明白である。
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2025/11/17 7:46
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ファンタジーの世界に生きる門田隆将と櫻井よしこ
ジャーナリストは取材した事実に立脚して記事を書く。大事なことは真実であるかどうかの識別能力が高いか低いかであって、職業人としての価値はそれ以上でも以下でもない。人間である以上、時間的制約や勘違いなどが原因で、誤報を発信することはありえる。その場合、報道や言論に携わる者の行動としては、訂正&謝罪を行うことは当然だ。なぜなら職業人としての生命線が「事実」(ファクト)に依存する職業にほかならないからだ。だが現代日本社会では、その基本的原則が、一部で打ち壊されて等しい。特に右派界隈においてその傾向が顕著だ。例えば南京事件がなかったと主張する櫻井よしこは、事実よりもイデオロギー(日本は悪くないとの思い込み)を優先する人物として知られる。それと同様、門田隆将こと門脇護も、事実よりもイデオロギーを優先する作家として知られる。一つの特性は自ら取材しないで虚言を垂れ流しても平気でいられる「感性」だろう。もっとも「週刊新潮」時代に捏造手記をでっち上げた経歴があり、編集部に居られなくなった人間として有名だ。事実よりもイデオロギー。靖國信奉者の言論人にはこうした手合いが多く見受けられる。この構造の認識が広く日本社会で一般化される時、日本は国際社会への真の意味での仲間入りができる条件が揃うものと考えている。
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2025/11/16 8:46
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東村山デマ事件の30年
昨日午前、東村山市で朝木直子らの団体が主催するシンポジウムが東村山市の駅前施設を使って開催された。すでにこの問題は多くの裁判でも決着済みであり、最近の長井秀和裁判でも同じ結果(他殺説の否定)となっている。それなのになぜこのシンポジウムが開催されたかといえば、この日が池田名誉会長の三回忌にあたり敢えてこの日を選んで日程設定されたことが明白であること、さらに長井裁判の地裁・高裁の連続敗訴でさらに行き詰まった東村山デマ・グループ(乙骨・長井・朝木・子安ら)が窮地に陥り、もはや虚名のインフルエンサー(門田隆将)にすがるくらいしか道が残されていない現実を示していた。門田隆将こと門脇護といえば、事件当時の1995年、週刊新潮のデスクとしてこのデマ報道の初報記事を書いた人物であり、それにより新潮社は教団側から名誉毀損で訴えられ200万円の損害賠償を命じられた張本人だ(賠償額は翌週のもう一本の記事と合わせ2記事分)。そんな“使い古し”の人物に、いまや頼るしかないのがデマ・グループの実態である。
私はこのシンポジウムのお知らせを朝木直子のX発信で最初に見た記憶だが、そこには「ご興味ある方は是非いらして下さい」とあったので、「それではお言葉に甘えて取材させて頂きましょう」とXで引用ポストしたのが2日前の朝。その間、朝木側からは何の返信もなかった。「来ないでください」との告知もなかったので、実際に現地に足を運んだ。受付の記入欄に名前を記載すると、いきなり「柳原さんですか」と言われ、出て来たのが朝木直子と子安じゅん(いずれも市議)の2人で、朝木はニンマリとした表情を浮かべ、向こうに消えていった。対応したのは子安である。入場を拒否する旨をいきなり伝え、その理由を尋ねると、「同じ空間に居合わせたくない」のだという。「だれが」と聞くと、「朝木直子」ということだった。私は彼女本人がすべての市民に参加を呼びかけていること、さらに私が引用ポストしたことで彼女にも私が来る旨は伝わっていること(伝わっていたからこそ、私一人を排除するための体制が事前にきちんとできていた)、市議会議長の対応として公正さに欠けることなどを指摘した。市議会議長が市の施設を使い、市民全員に参加を呼びかけておきながら、気に入らない人間については一人だけ排除する。こんなやり方が東村山市議会では通用するのだというのが、私の率直な感想だ。
付言すると、私は朝木直子が理事長をつとめる法人が運営する「りんごっこ保育園」の問題について取材中だった。朝木直子本人の無責任な言動で、泣き寝入りしている被害者がいることを知っている。私はその事実を9月初旬、朝木本人にメールで問い合わせた事実がある。その件で一旦メール返信があったので、彼女は私のメールアドレスも知っているわけだ。だから個人的に「出席は控えてください」と事前に伝えることも可能だったが、そのような行動はなかった。法人理事長の朝木直子は自らのさまざまな不始末について、私が会場でコメントを求める事態となり、自分が窮地に立たされかねないとでも心配したのだろうか。子安とのやりとりのなかで、私は会場の一番隅のほうに座ってシンポジウムを聞いているだけだと説明したが、排除の論理は撤回されなかった。皆さま、こんな人物が東村山市議会議長として存在することを、よく認識してください。
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2025/11/15 5:23
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11月15日
11月15日は自民党結党記念日ということで70周年の記事が各紙で散見される。さらにこの日は私どもと同学年である拉致被害者の横田めぐみさんが忽然と姿を消した日でもある。本日は創価学会の池田名誉会長が死去して2年。世間的には3回忌ということになるが、創価学会の活動はいまだコロナ前のレベルには戻っていない。選挙で3連敗したことで、世間では高齢化を原因とする説が根強いが、それに加え、組織の衰退も大きな要因だ。教団の中心軸が変わらない限り、この状況は変化しないと思われる。近年の同教団は、池田名誉会長時代に蓄えた「遺産」を徐々に食いつぶしてきたようなもので、その余力も限界に近くなりつつある。組織において“新しい創造”がなされていないという意味だ。多くの組織団体と同じく、刷新的な改革と綱紀粛正が求められている状況に映るが、現状はその方向には進んでいないと感じている。
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2025/11/14 7:09
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公明党の通知表 【辛口】
公明党は23年間政権与党にいたが、実現できなかったことは山ほどある。例えば次のようなことだ。
〇政治とカネの問題の解決(企業団体献金に頼らない政治システムの確立)
〇少子化問題の解決
〇原発に頼らないクリーン・エネルギーの確立
〇未来あふれる公教育の実現
〇(史実に基づく)公正な歴史教育の実現(特に近現代史)
〇食糧安全保障の確立・実現
〇外国人共生政策の確立・実現
〇死刑制度の廃止
〇核兵器禁止条約の批准
野党に転じたいま、なぜこれらの政策を実現できなかったのか。原因を総括し、次に与党入りする際は、プログラム的に実現できる道筋を今のうちから練り上げておくことだ。できなかった原因を正しく解明することなくして、次の政権で結果を残すことなど、道理としてできるはずがない。
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2025/11/13 8:23
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鬼畜の神州ニッポン
高市首相が自ら引き起こした「存立危機事態」問題は、日本と中国の近代以降の歴史を浮き彫りにする。駐大阪総領事の発言を問題視し日本から追い出せと叫んでいるグループ、人間たちは日中関係を「戦後」のレベルでしか見ていないことが明らかだ。そこでは戦前の日本がやらかした「不都合な真実」が見事に抜け落ちているか、敢えて見ないようにしている卑怯さがある。近代において、日本は本当にひどいことをした。私は歴史の専門家ではないが、それでも日中戦争において日本軍が土足で大陸に押しかけ、罪のない民衆に何をしたかの一端はわかっているつもりだ。当時、文化的に劣っていた中国を蔑視し、軽く扱い、すぐに決着するとばかりに中華民国の首都・南京を陥落させた事実は、近年ではすぐに征服できると考えてウクライナに攻め込んだプーチンの行動を考えればよく理解できるはずだ。今のロシアはかつての日本の姿そのものだった。だが自ら始めた日中戦争はすぐに終わらず、泥沼に入り込み、果ては勝ち目のない対米英戦争にまで突き進んだ。それらの意思決定において、天皇は時の軍部にいいように利用されたに過ぎない。高市首相は、これらの時代精神とほぼ同じ精神性の持ち主と見られている。靖国信仰にこだわる姿勢がその証明だ。同首相のことを「危険極まりない人物」と見ている投稿は、XなどのSNS上でも多く飛び交っている。「初の女性首相」という点は歴史的に評価されるだろうが、それ以外に評価できる点は乏しい。今や「高市首相の存在そのものが存立危機事態」との主張が説得力をもって響くのは、熟慮の上の的確・適切な判断能力に欠ける、為政者としての最も重要な資質における欠陥を浮き彫りにする。この政権は1年持てばいいほうかもしれない。
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2025/11/12 9:15
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「汚い首を斬る」発言について
中国の大阪総領事の発言が外交問題に発展した。発端は高市首相の初めての予算委員会審議で飛び出した存立危機事態に関する首相答弁だ。ここで高市氏は台湾海峡で中国が武力行使した場合、存立危機事態に該当する旨表明し、中国政府や関係者の反発を受けたのが真相だ。つまり、発端は高市首相側にある。中国政府の“尖兵役”となったのが大阪総領事で、次のようにXで発信した。「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟が出来ているのか」。首を斬るという表現が、現在の平和ボケした日本では不穏当に聞こえるため、日本側の大反発を招いたわけだが、日本がこの160年間、中国に何をなしてきたかをある程度、等身大で感じている人間が見れば、あるいは中国の立場に自分の身を移し替える余裕のある日本人からすれば、特に大きな違和感を感じない人もいるかもしれない。つまるところ、かつて日中戦争中、罪のない多くの中国人の首を斬り落としてきた張本人は、旧日本軍、つまり天皇の軍隊であったからだ。いまの日本人はそのような歴史的経緯をすっぽりと忘れているか、必要最低限の歴史教育をなされていないので、方向外れの反発をしているようにも私には思える。ましてこの大阪総領事が11月初旬に創価学会関西青年部主催の講演会で講演したいたとかで、創価学会や公明党までが糾弾の対象とされている。この総領事は日頃は普通のまともな感覚の持ち主のようだが、今回は、中国政府の“尖兵役”として確信犯的に行動したのだろう。日本社会を含む民主主義社会において言葉に適切性を欠いていたことは明らかだが、日本が過去に行った幾万もの非道な行為に鑑みれば、日本側が短絡的に「追放せよ」と言える問題ではないように感じる。双方とも、冷静になっていただきたい。繰り返すが、責任の発端は高市首相側にあり、日本側がこの問題で勝てる“ケンカの構造”とはなっていない。
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2025/11/11 9:06
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官房長官人事で失敗した高市早苗
第2次安倍政権は本人にとっても思いがけなく生まれた奇跡的誕生の政権だった。3年3カ月を共にした公明党も、同時に政権に復帰する。このとき創価学会は安倍晋三とは戸田第2代会長と安倍の祖父である岸信介が“親友”の時期があったという特別な関係ではあったが、政治信条は水と油で、政権を共にすることに不安がなかったといえばウソになるだろう。ただし、総裁選勝利への流れの中で官房長官に抜擢された菅義偉は、公明党の支援団体と直接的に野太いパイプを作り、政権を切り盛りした。それは選挙の得票を最大化するという安倍の考えにもマッチした行動でもあった。一方、高市政権はどうであったか。そもそも政治が「数の論理」であるという冷徹な自覚がはなはだ欠けていた。公明党は踏んでも付いて来る“下駄の雪”と侮っていた。そのためか、政府のかなめである官房長官に、公明党の支援を受けておらず、創価学会とも関係がよくないとされている人物を起用することに躊躇しなかった。仮にここに菅義偉までとはいわないまでも、教団とも気心の知れた人物を配置していたらどうなっただろうか。私の個人的な見解だが、連立解消はかなりの確率で回避されたと予測する。公明党側からすれば、パイプを最初から閉じた高市の政治姿勢からは、いずれ連立関係は行き詰まるとの達観があったと思われる。さらに高市の周りには門田隆将のように政治のイロハを弁えていないのに、ラウドスピーカーだけのうろんなタイプが控えていた。最初から「失敗」が約束されていたようなものだ。人間は付き合う交友関係のレベルによって仕事の結果が変わってくる。今回はその「定石」が証明されたにすぎない。
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2025/11/10 8:39
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自民党惨敗に終わった葛飾区議選
高市早苗政権の圧倒的な内閣支持率の高さのもとで行われた東京・葛飾区議選だったが、自民党は予想外の“大惨敗”の結果に終わった。同党の落選者は現職3人を含む7人におよび、ほかに立憲民主、共産とも現職をそれぞれ落とした。一方、前回9人を立てて1人を取りこぼしていた公明党は、前回落選者を含む8人全員を当選させ、「完勝」を果たした。国会ではいまの高市政権の圧倒的支持率のもとで衆院解散を打てば自民は勝利するという見立てがあったが、根拠が薄いことが明らかとなった。政党支持率は回復していないことが明らかだ。
葛飾区議会議員選挙の開票状況|葛飾区公式サイト
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2025/11/9 8:17
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目的と手段が混同される国民的影響
ジャーナリストの仕事の本質は知らせるべきことを広く知らせる使命にある。キリスト教の信者はキリスト教を悪く書くことには一瞬ためらいを持つだろう。私のジャーナリストとしての感覚では、創価学会の公明党支援の最大の問題点は以下にあると考えている。それは、教団の政治との関わりが短期的視点に陥りがちなことだ。これは教団の歴史性と社会的要求から起きているように感じる。選挙で勝利することがそのまま教団の威信を世に示すことにつながるという発想があるためか、選挙の勝敗は担当する教団幹部(主に方面)の勤務評定に直結する。そのため何のために政治支援するかという「大目的」が後方に下がりがちとなり、目先の選挙勝利という「手段」が優先される結果につながりやすい。要するに手段と目的の混同、転倒の問題にほかならない。私は大目的を追求した支援体勢がなされていれば、どの分野にも満遍なくエキスパートが国会議員に配置されていたと思うし、国の最重要問題の一つである少子化問題も、公明党が23年間も政権運営に携わった以上、すでに解決に向かっていた可能性が高いと感じている。大きな戦略の欠如が、この事態(政治支援の非効率性)をもたらしたように見受けられる。これは一政党の内部問題というより、国民全体に影響を及ぼしている問題だ。
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