【 歳費“ピンハネ”政党の実態 】

「日本共産党」の≪税金収奪≫システムを解明する

「不破哲三」議長の献金額はわずか「11万円」

日本共産党が国会議員から地方議員にいたるまで、党所属の議員に対し、議員報酬(歳費)の一部を半ば強制的に集金していることはよく知られる。本サイトでは、その程度と実態について調査を行った。それによると、国会議員の場合、年間ベースで700万円台、都議会議員は300万円台、東京23区の区議会議員の場合は100万円台という数値が検出された。これらはいずれも地元の地区委員会、都道府県委員会、中央委員会に「寄付」という形で拠出されているものの、事実上の歳費のピンハネである。

例えば、同党の主要な党幹部の2005年における党中央への個人献金額は以下のとおりだ。

 

志位 和夫 878万1388円 (党委員長・衆院議員)
市田 忠義 789万 500円 (党書記局長・参院議員)
小池 晃 843万4500円 (党政調会長・参院議員)
穀田 恵二 756万6944円 (党国会対策委員長・衆院議員)

 

以上はすべて現職の国会議員だが、一方で、議員辞職(引退など)した幹部(元を含む)を見てみよう。

 

松本 善明 13万2000円(弁護士)
上田建二郎 10万8000円(政党役員)
上田耕一郎 8万4000円(政党役員)
筆坂 英世 2万1000円(政党職員)

 

上記4人も、現職の国会議員のころは、700万円前後を党本部に“ピンハネ”されていた。これらの事実からわかるように、「現職議員」は半ば強制的に、歳費の一定額(国会議員の場合は700~800万円台、国会議員秘書は300万円台)を党にもっていかれる。
ところで、上記、「上田建二郎」は、「不破哲三」前議長の≪本名≫として知られるが、党の最高指導者の献金額がなぜにこれほど少ないのか。末端党員でも意欲のある者はこの程度は献金している。同人には国から手厚い≪議員年金≫が支給されており、豪華な「ログハウス」に居住していると報じられている。末端党員や同党支持者からは「カンパ」と称して日常的に金銭を徴収しながら、党の事実上の“元トップ”がこれでは、この「現実」を知った活動家はやる気が失せるというものだろう。

 

「都議会議員」の政治献金額一覧

日本共産党の都議会議員が、同党東京都委員会に年間ベースで歳費をどの程度“ピンハネ”されているか、その実態をご紹介する。なおデータは2003年のもので、2005年に行われた都議会議員選挙以前のものであることをお断りしておく。さらに付け加えると、同党の都議会議員は東京都委員会以外にも、地元の地区委員会にも一定の献金を行っているケースが見られる。以下によると、都議会議員の実質的な割当額は、平均値で「325万円」。ちなみに、この年の都議会議員の献金の合計額は、「5000万円」近くにのぼる。

 

393万6570円 曽根 肇( 北 )
354万4986円 松村 友昭(練 馬)
347万8943円 渡辺 康信(足 立)
340万9162円 古館 和憲(板 橋)
340万2452円 大山とも子(新 宿)

 

339万8058円 吉田 信夫(杉 並)
334万5404円 丸茂 勇夫(大 田)
330万8986円 秋田 穫雄(品 川)
328万5703円 可知佳代子(大 田)
324万5403円 清水 秀子(八王子)

 

301万8173円 池田 梅夫(豊 島)
291万5100円 東 巨剛(江 東)
285万9393円 木村 陽治(葛 飾)
284万2244円 河野百合恵(江戸川)
279万0244円 小松 恭子(東村山)

 

「区議会議員」の政治献金額一覧

さらに地方議員として、東京23区における区議会議員(+狛江市議会議員)の2005年における地元の地区委員会への政治献金額を見てみよう。断っておくが、これらの献金の実態は「違法」というわけではない。同党は政党助成金を受け取らないかわりに、国会議員から市議会議員にいたるまで、半ば強制的に集金し、党運営を行っているのだ(原資はいずれも「税金」)。
これらを見て、他党の議員が歳費(議員報酬)をまるごと使えるのに対して共産党はよくやっていると評価する人もいるだろうし、逆に、こんなに党へ歳費を“還流”させているのはケシカラン、と怒りの感情を持つ人も出てくるだろう。いずれにせよ、同党の区議会議員が、原資が税金である歳費をどのように使っているかは各議員の自由とはいえ、そのことを党として半ば強制的に行っている事実があるとすれば、広く知らされるべき事柄にちがいない。
なお、日本共産党による歳費ピンハネが「強制的」なものであることは、例えば、品川区議による献金のほとんどが“同一額”であることや、足立・江戸川各区の一部にも類似の傾向が見られること、さらに葛飾区に顕著だが、この年に区議会選挙が行われ、新旧議員が交代する際、ピンハネ対象者がそのまま移行していると見られる実態などからも明らかであろう。
また、自治体(地区委員会)によってピンハネ金額(割当額)も相当に異なっていることが一目瞭然だ。例えば品川区のように70万円程度で済むところから、世田谷区や中野区のように250万円を超えるところまでさまざま。これらを一覧すると、各地区委員会の方針が垣間見えてなかなか興味深い。ちなみに、東京23区の全区議会議員におけるピンハネ金額の平均値は、「140万円」となっている。
いずれにせよ、東京23区内だけで、年間「2億円」を超える区議会議員の歳費(献金総額)が、地元の地区委員会を通じて「共産党」にごうごうと“還流”していることは間違いない事実である。これ以外にも、都議会議員が、同党東京都委員会に対し、一人あたり平均で「300万円」をゆうに超える政治献金を行っている。
これらから指摘できることは、共産党議員が増えれば増えるほど、地区委員会→都道府県委員会→中央委員会へと≪資金流動≫の流れも活発になり、さらに各級機関における潤沢な活動資金へと変化していく仕組みである。

◎東京23区の区議会議員による地区委員会への政治献金額一覧(2005年)

【区】 区議数 区議による献金総額 (一人あたり平均額)

【千代田】 3人 257万1517円 (約86万)
90万1581 鈴木 栄一
84万6054 飯島 和子
82万3882 木村 正明

【中 央】 5人 744万9237円 (約149万)
218万5484 藤田 正五
174万6960 田辺 七郎
153万9565 小栗智恵子
109万8484 志村 孝美
87万8744 鞠子 勝彦

【 港 】 6人 724万3107円 (約121万)
133万2534 猪熊 正一
126万3257 北村 利明
117万9344 熊田千津子
116万3328 星野 喬
115万8662 沖島恵美子
114万5982 風見 利男

【新 宿】 9人 1353万8637万円 (約150万)
244万1670 笠井 艶子
186万3384 石垣 民栄
159万3594 沢田あゆみ
156万4588 近藤奈津子
147万4588 阿部 早苗
143万7200 川村 範昭
124万9417 雨宮 武彦
124万3296 松ヶ谷匡男
67万0900 田中 憲秀

【文 京】 6人 1097万5442万円 (約183万)
250万9651 高畑 久子
203万7321 国府田久美子
183万8316 小林 進
161万2535 島元 雅夫
152万1047 佐藤 憲和
145万6572 竹田今朝子

【台 東】 5人 632万6458万円 (約127万)
167万0399 伊藤 友子
136万0729 橋詰 高志
112万0235 杉山 光男
111万4699 稲垣 晃司
106万0399 茂木 孝孔

【墨 田】 5人 735万円 (147万)
157万6000 鈴木 順子
153万6000 西 恭三郎
153万6000 高柳 東彦
152万6000 片倉 洋
117万6000 金沢 修

【江 東】 7人 894万5650円 (約128万)
130万4100 添谷 良夫
129万0800 小山三和子
129万0340 菅谷 俊一
128万8600 斉藤 信行
128万5750 梶田かおり
128万4460 菊池 幸江
120万1600 鈴木 康吉

【品 川】 7人 509万5576円 (約73万)
74万5939 宮崎 克俊
73万0940 飯沼 雅子
73万0940 鈴木ひろ子
73万0940 中塚 亮
73万0939 菊地 貞二
73万0939 沢田 英次
69万4939 南 恵子

【目 黒】 5人 941万4800円 (約188万)
303万9260 森 美彦
225万3760 沢井 正代
162万0560 岩崎 史博
141万0560 石川 恭子
109万0660 野沢満理子

【大 田】 8人 1024万7224円 (約128万)
149万4116 渋谷 要
146万9386 菅谷 郁恵
138万2458 金子 悦子
122万1218 大竹 辰治
120万4914 和田 正子
116万9118 清水 菊美
115万6900 黒沼 良光
114万9114 藤原 幸雄

【世田谷】 3人 789万2200円 (約263万)
278万4400 岸 武志
275万1300 中里 光夫
235万6500 大村 ゆみ

【渋 谷】 6人 704万0967円 (約117万)
119万5569 苫 孝二
119万0337 森 治樹
117万8497 菅野 茂
117万7064 新保久美子
116万7303 五十嵐千代子
113万2197 牛尾 眞己

【中 野】 8人 2106万9425円 (約263万)
280万2215 小堤 勇
275万7451 長沢 和彦
274万3729 江田 徹
267万8809 岩永志保子
259万9829 加瀬 次郎
258万4689 昆 まさ子
245万3229 来住 和行
244万9474 池田 一雄

【杉 並】 6人 1051万9633円 (約175万)
215万9015 山崎 一彦
184万9558 原田 暁
174万9000 小倉 順子
172万6100 樟山 美紀
159万3360 鈴木 信男
144万2600 原口 昭人

【豊 島】 4人 729万1396円 (約182万)
251万3291 河野多恵子
211万7981 小林ひろみ
133万3414 森 徹
132万6710 垣内 信行

【 北 】 9人 1180万4540円 (約131万)
152万2800 相楽 淑子
150万5064 中川 大一
148万9160 本田 正則
137万0164 八巻 直人
134万1419 福島 宏紀
131万6426 木元 良八
123万4606 八百川 孝
120万7880 谷口 健
81万7021 山崎 泰子

【荒 川】 5人 870万9820円 (約174万円)
180万1411 相馬 堅一
179万7474 斉藤 邦子
175万3991 横山 幸次
171万6703 安部キヨ子
164万0241 小島 和男

【板 橋】 10人 1282万0892円 (約128万)
184万2283 小林 己美
156万7435 竹内 愛
146万6119 山内 金久
129万6367 熊倉二三子
124万2283 広山 利文
122万6273 田中 順一
108万9589 大田 伸一
108万9589 松崎 参
103万3519 金崎 文子
96万7435 小野 修悦

【足 立】 11人 1094万1827円 (約99万)
121万9173 鈴木 賢市
109万0389 佐藤 純子
105万1923 鈴木秀三郎
105万1923 松尾 勝哉
103万7716 渡辺 修次
96万9173 額賀 和子
96万9173 針谷 幹夫
93万6043 伊藤 和彦
91万2468 大島 芳江
85万1923 三好 澄生
85万1923 橋本三千子

【葛 飾】 7人→5人(11月) 522万2140円
112万6440 渡辺キヨ子 (旧) ※落選
108万6675 野島 英夫
100万1475 渡辺 好枝
87万2375 三小田准一
77万0375 中村 伸吾
18万2400 高橋 信夫 (旧) ※引退
18万2400 中江 秀夫 (新)

【練 馬】 7人 744万3812円 (約106万)
136万8876 かまた百合子
127万5100 猿田 博文
124万3100 有馬 豊
119万4719 武藤 昭夫
96万5093 武田 悦子
79万8334 松村 良一
59万8590 戸谷英津子

【江戸川】 6人 641万7705円 (約107万)
118万9921 河合 恭一
110万5662 小俣 則子
103万3573 須田 哲二
103万3573 間宮 由美
102万7488 坂本久美子
102万7488 瀬端 勇

【狛 江】 6人+1人
112万6000 田岡 恭子
105万8000 藤田 鋭
100万9800 新沼 敦子
100万0000 矢野 裕 (※狛江市長)
97万8000 鈴木 悦夫
92万5000 田邊 良彦
52万0000 石川 美英

 

「政務調査費」で雇った職員からも“ピンハネ”していた「日本共産党」

日本共産党の歳費ピンハネの税金収奪システムは、議員だけに限らない。共産党議員団が「政務調査費」を使って常勤雇用した職員からも、賃金の一部を集金している実態がある。例えば、東京・新宿区議会で問題になっているケースがそれである。

日本共産党・新宿区議団(9人)は2007年3月、政務調査費で雇った常勤職員の人件費支出をめぐり、新宿区長から173万円を返還するよう命じられたが、同党は「不当な返還命令」などと主張して支払いを拒否した。だが、同区議団の政務調査費によって“丸抱え”されていた共産党専従職員が、同党所属議員などと同じく、党に一定金額の献金(事実上のピンハネ)を毎年繰り返していた事実がすでに明るみになっている。
同党新宿地区委員会の収支報告書によると、2003年6月から2006年9月まで勤務していたとされる年収600万円台の元職員A(=40代・男性)の場合、日本共産党新宿地区委員会(委員長・近藤雅樹)に対し、勤務期間のわずか3年間(判明分)だけでも合計「173万円」の献金を行っていた。
さらに年収300万円台だった元職員B(=50代・女性)の夫も、判明しているだけで約30万円の献金を同様に行っていたほか、同党が政務調査費から手数料として月1万円を支出していた社会保険労務士(女性)からも、新宿地区委員会は年間5万円の政治献金を受け取っていた。
これらはいずれも、同党所属の各級議員の“議員報酬ピンハネ”と同じく、日本共産党が税金(政務調査費)を使って、党活動に「資金還流」している現実を示すもので、全国的に、同様の方式で国民の血税を“吸い上げ”ている実態があるものと見られている。(2007年4月10日)

◎日本共産党・新宿区議団が「政務調査費」で雇った「常勤職員」(2人)の献金実態 (判明分)

≪元職員A(40代・男性)≫

【2003年】=合計60万円
3 月15日 10万円
4 月10日 10万円
7 月15日 10万円
11月15日 20万円
12月10日 10万円

【2004年】=合計50万円
3 月26日 10万円
7 月24日 15万円
11月25日 25万円

【2005年】=合計63万円
7 月10日 20万円
10月15日 20万円
12月 5日 23万円

≪元職員B(50代・女性)の夫≫

【2003年】=合計24万円
8 月10日 10万円
8 月21日 14万円

【2004年】=合計6・8万円
6 月20日 6・8万円