兵法としては「最低愚策」の櫻井よしこ

本日付の産経新聞はジャーナリストの櫻井よしこ氏を登場させ、中国を批判している。だれがどの国を批判しようとこの国では自由だが、鼻につくのは「日本を日本たらしめてきた価値観を守ることで貢献するときだ」などの同人ならではの主張だろう。この根本には、日本は万世一系の天皇をもつ世界で唯一無二の誇るべき国であるという靖国思想が明確に横たわっている。その結果、天皇の軍隊であった旧日本軍が起こした数々の非行、南京大虐殺についても、事実が存在していることは明らかであっても否定する態度をとるなどの「空想主義者」としての行動が顕著に見られることになる。同人の結論は、「日本よ、独立国の気概を持って米国とともに闘え」「力を整備して日本の価値観を掲げ、闘うのだ」などと勇ましい。要するに過去の大日本帝国を模範とし、きちんと武装化して、中国と戦争せよ!とけしかけているようにしかはた目には見えない。またこうした正面からぶつかり合うことを奨励する兵法は、数ある兵法のうちで「最低の愚策」というものだろう。正面衝突は所詮、物理的に力のあるほうが勝つだけの兵法であり、互いにとってもいい結果となるものではない。その事実は、先の太平洋戦争があますところなくその教訓を示している。要するにこの人物には、深い智慧や見識というものが存在しない。最近の靖国擁護者は、こんな主張の人間ばかりが目立つ。放置しておけば、日本は戦争(=正面衝突)に向かうことになりかねない。

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