日記

2012/02/04(Sat)
堕ちた元委員長  140  夫婦で口裏合わせした「キャー」発言
 近年の矢野絢也の国会手帳をめぐる一連の裁判のなかで、その象徴的な場面とされるのが、国会議員OBら3人が2005年5月に矢野の自宅を訪問した際、強制的に“家探し”をしたと矢野側が主張するために持ち出した「キャー発言」であろう。各部屋を見て回った際、矢野の妻である満子が着替えをしていた場面に遭遇し、当時68歳の満子が「キャー」と悲鳴をあげたという エピソードについてである。
 矢野側はこれを3人の態度がいかに強制的で横暴なものであったかを証明するために用いているが、肝心の音声データにそのような女性の叫び声は一切録音されていなかった。
 そのため矢野は、著作のなかでも、「着替え中の妻がいて『キャーッ、キャーッ』と叫び声を二度あげた」「『のぞき見』というセクハラまがいの卑劣な行為をしたとの疑いをかけられたくなかったからだろう。その辻妻合わせのために、記録を改竄しているのである」(2009年7月)などと、断定的に記述している。
 最終的に真実は一つしかないのだから、どちらかが意図的にウソをついていることになる。この音声記録について、一審判決は「編集改ざんされたものではない」と認定し、二審は逆の判断をした。だがこの判断の変化は、科学的な根拠をもとになされたわけではない。裁判官の憶測がたぶんに混じった判断であったからだ。
 これら音声記録データが編集されたものであるかどうかを争点とする裁判が現在、2件進行している。うち1件が昨日結審した。判決日は決まらず「追って指定」という結果になったが、今後のゆくえが注目される。