日記

2011/12/23(Fri)
「週刊文春」の呆れた謝罪
 「週刊文春」が10月27日号で4ページを使って「衝撃スクープ 池田大作名誉会長 担当していた元看護師が語る『厳戒病室』本当の病状」と題する記事を掲載し、池田名誉会長の療養中の様子をまるで見てきたかのように報じていた特集記事で、同誌の島田真編集長は12月22日発売号(12月29日号)の〔編集長から〕と題する編集後記の欄で、お詫びの文章を掲載した。具体的な内容は以下のとおり。

〔編集長から〕
 小誌10月27日号に掲載した「担当していた元看護師が語る 池田大作『創価学会』名誉会長『厳戒病室』本当の病状」の記事につき、創価学会より「該当する看護師は存在せず、証言は事実無根である」との抗議がありました。これを受けて小誌は再取材を行いましたが、証言者が看護師であるとの確証を得るに至りませんでした。病状についての記述を取り消し、ご迷惑をおかけした関係者にお詫びいたします。

 この“異例”の謝罪文では、「病状についての記述を取り消し」とあるが、問題となった記事では、「脳梗塞が2カ所ある」旨の具体的記述のほか、言語障害や意思疎通も困難になっているなどの記載があった。それらをすべて“取り消す”との編集長自らの表明であり、記事そのものの信ぴょう性が大きく瓦解する結果となった。
 10月27日号の記事を受けて、いわゆるアンチメディアは文春記事を引用する形で大騒ぎしてみせたほか、たとえば産経新聞(10月22日付)に掲載された「花田紀凱の週刊誌ウォッチング」では「まさに<衝撃スクープ>」などと絶賛したほか、「見事なスクープ」「丹念に記事をチェックしてみても信頼性の高さがうかがえます」などと評価するジャーナリストも現れた。
 これは筆者の推測だが、「週刊文春」は最初から情報提供者が看護師ではないことをわかっていて掲載した記事と考えざるをえない。告発者あるいは情報提供者の立場が本当に本人の供述どおりであるかどうかを厳密に確認するのは、記事作成においてはイロハのイであるからだ。

 【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】
 http://sankei.jp.msn.com/life/news/111022/bks11102207560000-n1.htm
 【文春記事を絶賛したジャーナリスト】
 http://megalodon.jp/2011-1222-1541-53/aoki.trycomp.com/2011/10/post-329.html