日記

2011/04/11(Mon)
2代にわたって「くさり」につながれた女性市議
 統一地方選の前半戦が終了した。道府県議選、政令市議選などの結果が判明している。後半戦(24日投票)は一般市議選や東京23区の区議選などが行われる。すでにこのコラムではおなじみだが、東京・東村山市議会議員選挙も24日に実施される。95年に初出馬し、次点で落選しながら、当選した仲間の議席返上で議席を“かすめ盗った問題市議”「矢野穂積」も今回、5期目の選挙を戦うようである。
 同人は裁判所から「パラノイア」(=偏執病)と認定されたこともある、日本では“異色”の自治体議員として知られる。同時に「サイコパス」(=良心の呵責を欠如した異常人格の持ち主)の特徴を数多く兼ね備えていることでも注目されている。サイコパスは欧米の犯罪心理学においてはよく知られる概念だが、その特徴の一つは、ひとの弱みに巧みに付け入り、ひとを操作する点にある。わかりやすくいえば、自分のクモの巣にかかった獲物をがんじがらめにし、自分の利益に沿って動かす点にある。
 実は、そうした矢野穂積の人格の犠牲になった一人と見られるのが、95年の市議転落死事件で有名なった朝木明代市議の存在であろう。矢野の議席譲渡事件などでストレスがこうじたのか、市内で万引き事件を引き起こし、矢野と隠蔽工作を行うなかで、最悪の事態に発展した。起訴も目前という段階で、朝木市議は転落死事件を引き起こした。その朝木市議と矢野は“不適切な関係”を、朝木家の親族から指摘されていた。客観的に見れば、2人はまさにがんじがらめの関係にあったといえよう。
 その朝木明代が突然死したあと、その「自殺」を打ち消すように、執拗に「謀殺説」を唱え始めたのは、なんと明代の娘の朝木直子と、矢野穂積の2人であった。この2人は、手をつないで公然と歩くなどの行為から、これまた“不適切な関係”が指摘されてきた。朝木直子にとっては、矢野はかつての家庭教師でもある。この2人の関係も、まさにがんじがらめのものといってよいだろう。
 サイコパスは、欲しいものを好きなように手に入れようとする生き物と定義されている。金銭欲、名誉欲、性欲など、あらゆる欲望において、そのことは該当する。わかりやすくいえば、理性的な歯止めが効きにくいということを意味している。その点においては、死亡した朝木明代や現職市議の朝木直子は、矢野穂積という「特異人格」のくさりに2代にわたってつながれた存在といってもよい。
 例えていえば、ヘビがカエルを「捕食」するように、サイコパスは自分の人間関係において、他人を“捕食”する。サイコパスは、≪人間の形をした蛇≫とも別称されてきた。これはヘビの「性質的側面」に着目した言い方にすぎないが、 朝木母娘はそうしたサイコパスによる「鎖(くさり)」につながれた存在であったといえまいか。