日記

2010/08/28(Sat)
単行本『怪死』の地に堕ちる価値――あれから15年
 まもなく東村山女性市議転落死から15年を迎える。当時、「教団謀殺説」のデマを自己保身のためにばらまいたのは東村山市議「矢野穂積」だったが、その矢野が操作の対象としたのがマスコミだった。なかでもお粗末なジャーナリストが格好のターゲットとなった。筆頭にあげられるべき人物はやはり、『怪死〜東村山女性市議転落死事件』(96年)を上梓した乙骨某であろう。乙骨はこの書物の結論部分でこう書いている。
 「朝木さんの死は、日本の民主主義を守るための貴重な人柱なのかもしれない」
 「坂本堤弁護士一家殺害事件が、事件発生後、6年の歳月を経て解決したように、いずれ、朝木さんの死についても、その事件の全容と真相が解明される日が来るものと固く信じている」
 6年どころか、あれから15年がすぎた。謀殺説の根拠はいまだなきに等しく、“訴訟マニア”の矢野穂積が関係する幾多の裁判のなかで、謀殺説の真実性が認定されたケースは一例もない。むしろその後の経過から明らかになったと思われる「真相」は、矢野穂積らが女性市議が履いていたはずの靴が残されていると思われる「草の根事務所」内の捜査を敢えて拒否したこと、さらに矢野らは靴がないことを理由に謀殺説を声高に主張してきたなどの、自作自演に近い実態である。
 事実、上記の乙骨本の中では、「自宅にも、『草の根』事務所にも、当日はいていた靴は残されていない」と、検証不能な事実を断定的に記述している。乙骨某にその情報を伝えたのは矢野ら以外にありえないが、肝心の矢野穂積の人格特性は、良心の呵責をもたず、自分を守るためなら平気で≪虚偽≫を述べる人物であることはすでに明白だ。
 乙骨某は、「朝木さんの死は、日本の民主主義を守るための貴重な人柱なのかもしれない」と書いている。同人は、特定教団が謀殺したはずとの≪思い込み≫からこう書いているのだが、小生は別の意味で、この言葉に同意する。朝木市議の死は、確かに日本の民主主義を守るための貴重な人柱にちがいない。デマを用いて、罪のない教団に責任転嫁し、同僚の死をいいように“利用”してきた者たちこそ、日本の民主主義を死滅させる行為に等しいとも思うからだ。
 乙骨某は先の書物で、矢野穂積に関する情報として、次のような内容があったことを紹介している。そのまま引用しよう。
 「朝木さん(※明代)と矢野さんは、以前からW不倫関係にあり、2人が性交渉していた声が、事務所から漏れていたなどとの噂」
 「朝木さんの死は、『矢野と娘の直子が不倫関係に陥り、それにショックを受けたのが朝木の死亡の動機』などという唾棄すべき噂」
 これらは別に教団関係者だけに流れていた噂というわけではなかろう。私の取材では、東村山でこのように認識しているあるいは疑っている関係者は、いまでも少なくない、ということはいえる。