日記

2010/02/04(Thr)
本音では「何も起こらない」と語っていた“反対派”の百地教授
 昨年6月29日、早稲田大学の大隈講堂で右派系サークルの主催で「迫り来る国家解体の危機 外国人参政権と人権擁護法案」というタイトルの講演会が開かれた。会場は学生というよりはるか年上の年配者も多く見られたが、閑散とした感じだった。招かれたのは日本大学の百地章教授で、外国人参政権について「百害あって一利なし」などの持論をとうとうと述べたあと、早大生から「具体的にどんな危険が起きるか」と尋ねられると、次のように答えていた。
 「日常的にはあまり問題ないかもしれない」
 要するに、反対派の重鎮と見られる同人においても、たとえ外国人地方参政権が認められる社会になったとしても、日常的にはたいした問題にはならないとの認識を持っていることが明らかになったわけだった。一方で、同人が“御用学者”としてふるまっている日本会議などの極右団体では、永住者(=納税義務を果たし、犯罪を犯していない滞日10年以上の外国籍住民)に地方参政権を付与すると、国境の島が乗っ取られるとかのような「妄説」がはびこっている。
 彼らからすると、外国人参政権を推進する者は「非国民」「売国奴」「国賊」ということになるらしいが、当方からすると、彼らこそが「国賊」の類いに見える。なぜならこの制度は、外国人を日本社会にスムーズに適応させるためのクッションの役割を果たすものであり、社会統合政策の側面を強くもつからだ。逆に、増えてくる外国人を何十年日本に住もうと政治的権利から締め出し、二層構造をつくって分断政策をつづけることは、犯罪の増加など社会を不安定化させる要因になるとも危惧される。
 外国人は「害国人」という発想しかできない日本人を見ていると、日本民族はいつからこんな矮小な民族になったのかと思えてならない。閉塞した時代の反映であろう。