日記

2010/01/26(Tue)
◆右派系の皆様へ  それくらいで壊れるような日本国ではない
 日本で最大の保守・右派系団体「日本会議」が主催する外国人参政権に反対する国民集会が昨日午後、永田町にほど近い憲政記念館で開かれ、地方議員をはじめとする1000人を超える人々が集まった。主催者を代表して挨拶した日本会議国会議員懇談会会長の平沼赳夫・衆議院議員は、長崎県対馬を視察した話を延々と行い、外国人参政権を認めると辺境の島が外国勢力に支配されかねないかのような反対論をぶった。さらに外国人から日本に帰化(国籍取得)した石平氏、金美齢氏、呉善花氏などが登壇し、さらに民主党を除名された土屋敬之都議会議員などが挨拶した。
 同会では、この法案が5月のゴールデンウィーク前後に国会上程され、成立してしまいかねないことを懸念しており、それまでに国民運動を高め、ピークにもっていく考えだ。そのため地方議会における反対決議を今後も推進する一方、署名活動なども行う方針という。
 反対論の主な要点は、外国人である永住者に地方選挙権を与えると、日本が外国に間接的に支配されてしまいかねないという脅威論だ。対馬や与那国島に永住者が大量に住民登録すれば、首長選挙や市・町議会選挙で、外国人の意向を受けた議員が当選しかねないと「恐怖心」を抱いている。だがこれらは冷静に考えれば、杞憂でしかなかろう。
 その地域に実際に住んでいないのにそこに選挙のために住民票を集団移動するなどのデマは、これまでも某宗教団体にからめてさんざんに行われてきた。現在の住民登録制度では、そうしたことをすれば、すぐに発覚する。まして外国人がそこに住んでもいないのに大量に住民登録すれば、地元ではすぐに判明する話であり、大きな騒動になることは明らかだ。日本人ですらできないことを、外国人だからできると「曲解」することは、いい加減な論議というほかない。
 さらに彼らは永住外国人をまるで「黒船」であるかのように怖れているようだ。外国人といっても所詮は同じ人間にすぎない。仮に中国人を例にとっても、みな同じ政治的信条をもっているかといえば、それは現実社会を知らない人間の見方だ。日本人でも、人それぞれ考え方は異なり、支持政党も異なるように、外国人でも同じことがいえる。まして参政権付与の歴史は、わずか1世紀前には女性には与えられていなかった権利だ。
 戦後、女性に選挙権を与えるときに、女性に一票を与えると国家が女性に支配されかねないなどと反対した者がいただろうか。選挙制度というのは、極めて民主主義の根幹を占める問題であり、そこに住む「生身の人間」の意思反映の手段を担保するための制度にほかならない。外国人であろうと、わが国にこれからそうした人々が増えることがすでに明らかな以上、そうした人々を政治的埒外においたまま、日本人だけでコソコソと行う政治がはたして民主主義の原理にかなっていると言えるかどうかという問題である。
 ところが、わが国には、永住外国人に地方選挙権を与えると、日本が乗っ取られかねないとか、中国・韓国に間接支配されてしまうだとか、心配する日本人が増えているようだ。日本人はいつからこうした≪せせこましい人種・民族≫に成り下がってしまったのだろうか。
 古代から連綿とつづく過去の日本の歴史は、外国人を受け入れてきた時代には、例外なく国に発展をもたらしてきた。いまはそのことが再び問われている時期ともいえよう。
 蛇足だが、本日発売された月刊誌「WiLL」には、「外国人参政権に絶対反対です!」とのキャッチコピーとともに、「総力大特集 許すな! 外国人参政権」と題する特集を掲載している。その花田紀凱編集長の姿も、昨日の日本会議主催の集会で目にしたが、会場後方の椅子席に深々と座ったまま、その時間のほとんどを腕組みしたまま寝入っているかのようだった。