日記

2005/05/01(Sun)
「問題副部長」の“正体隠し”か、データ原稿「改竄」疑惑も  飯島勲VS『週刊新潮』裁判
 いまも続々と「敗訴記録」を塗り替えている『週刊新潮』だが、同誌が現在抱えている裁判は地裁レベルだけで十数件が確認されている。その中で、ちょっと不思議な裁判がある。通常であれば、取材した記者の具体名のほか、執筆したデスク名も具体的に明らかにする新潮社側の弁護士が、なぜかこの裁判だけは、執筆デスク名を明らかにしようとしないのだ。
 その不可解な裁判の原告の名は、首相秘書官の「飯島勲」。問題となったのは、昨年5月20日号に掲載された「『年金政局』未だ納まらず」との特集で掲載された「首相秘書官の『謀略リーク』に敗れた福田」の記事で、飯島氏が名誉毀損による1100万円の損害賠償などを求めている。
 この新潮記事が摘示したのは、飯島秘書官が福田官房長官を追い落とすために「週刊文春」に福田氏の年金未納情報を流したとするもので、新潮社側の主張によると、このネタを引っ張ってきたのはデスクの「草野敬」。実際に必要な取材を行い、データ原稿をあげたのは女性記者のSだが、原告側・飯島氏の陳述書が提出され、原告側から証人申請までなされている段階なのに、被告側からはなぜか、この記事の執筆者名がいまだ明らかにされていないのだ。
 小生の目で読む限り、この記事の文体は、新潮編集部きっての“問題記者”である「門脇護」の筆致に極めて似通っているが、それが理由で“正体隠し”をしているとすれば問題であろう。
 さらに不可解なことは、この裁判で「週刊新潮」が提出したS記者のデータ原稿なる「証拠」も、実際は記事作成時に使用されたデータ原稿ではなく、記事が活字になった後に作成されたものという。もともと「週刊新潮」では、裁判に「証拠」として提出するデータ原稿を、実際に使ったデータ原稿と同じものを提出せず、都合の悪いところを切り落とすなどして裁判所に提出しているとの内部証言が、具体的なデスク名とともに小生のもとにも寄せられている。
 いずれにせよ、この記事の執筆者がだれであるか、背景が明らかになるのは時間の問題であろう。