『拉致被害者と日本人妻を返せ』を読み返す

発刊されたのが2002年だから15年ぶりにまともに目にしたことになる。『拉致被害者と日本人妻を返せ~北朝鮮問題と日本共産党の罪』という書物のことだ。今さらながら再読して、内容に嘘は一行もないことを改めて感じる。また北朝鮮問題に関して日本共産党が犯してきた過去の犯罪的な誤りが過不足なく記されているとの印象を持つ。

当方がペンネームで執筆したこの本は、日本共産党の痛いところに触れたようで、その後、アカハタ記事を資料集として掲載したなどの著作権侵害などの理由で日本共産党から刑事告訴され、さらに志位和夫名義で民事提訴された、いわくつきの出版物である。

私もこの裁判の一方当事者としてかかわることになったが、なにせ、本の文章そのものに偽りは一行もない。確かに「詐欺行為としかいいようがない」「殺人加担行為といってもよい」などと、その言葉を単独で抜き出せば多少の強い表現はあったものの、問題はそうした論評を加えられても仕方がないような≪前提事実≫があったかどうかが名誉棄損に当たるかどうかの分かれ目であり、日本共産党にそうした論評を受けるべき≪前提事実≫としての行動があったことは歴史上明らかだった。

実際はそうしたことを十分に理解していた同党は、民事裁判の途中で訴えを取り下げることに同意し、刑事告訴も取り下げる羽目になった。要するに、訴えそのものは最初からポーズに過ぎなかったのである。

今さらながら、同党の体質は15年前と何ら変化していないと感じる。あるいは北朝鮮帰国事業が始まった1959年から数えても、何ら変わっていないとの感慨をもつ。都合の悪い過去の事実はすべて隠蔽し、それを指摘する者を見つけるや、苛烈に弾圧を加えようとする。

その意味で、いまの北朝鮮は、日本共産党の“成れの果て”の姿といってよい。日本を共産主義国にするとの政治的意思を持ちながら、選挙ではそれを隠し、自らは一切訴えることもない。同党は、重大な目的を日本国民に隠して「革命」を夢見る、詐欺集団にほかならない。

 

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。