「日本を貶める」という発想の貧困

ジャーナリストと名乗る人間が「この新聞は日本を貶めている」などと主張するようになって久しい。日本を貶めるとはどういうことか。虚偽の事実で名誉を棄損するのであればこれはれっきとした犯罪だ。だが彼らの言う「貶める」とはそういう単純な代物ではない。例えば南京大虐殺という過去に旧日本軍が行った違法行為がある。この行為によって数万人単位の中国人が命を落としたことは客観的な事実だ。要はその被害者数について、中国側は30万人などとプロパガンダ的に主張してきた。その数に対し、「日本を貶めている」というようなものだ。慰安婦問題を例にとれば、朝鮮半島から多くの女子が、アジアの戦地に送られたことは事実だ。その多くが事前に何を行うのかの正確な説明を受けた者はまれで、ほとんどが「騙されて」連れていかれた。それについて彼らは「強制連行されたわけではない。日本を貶めている」と主張するわけだ。決して騙されて連れて行かれた事実自体がウソと言っているわけではないことに注意したい。 そんな前提から見てみると、彼らの唱える「日本を貶める」の言説は、ヒステリー女性のそれとさほど違ってみえない。要するに客観的な冷静さを欠き、そこには単に感情があるだけなのだ。「傲慢記者がファクトを殺す」などと主張しているジャーナリストもいるようだが、自分自身がその「傲慢記者」の典型である姿は、一向に自分の目には入らないらしい。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。