空手雑感 28

座波仁吉という空手家が死去して本日で10年の佳節となる。沖縄県の首里で生まれ育ち、幼少のころから首里手の空手を学び、本土に出たあとも空手普及に尽力した。主に大阪を舞台に、戦後しばらくは九州の宮崎で空手指導を行った。系統としては、知花朝信の直系で、古流の型を頑なに保持する「心道流」という流派を興した。首里手の基本型であるナイハンチについて、80年以上の空手歴を持ちながらも、「一度として満足に行えたことがない」と述懐した。要するに、死ぬ間際まで向上心を失わなかったことを意味する。その話を耳にすると、わずか10数年や、あるいは30~40年の空手歴であっても、子どものようなものでしかなくなる。

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