野党がもつ最大のジレンマ

 本日付各紙とも、野党の参院選1人区候補の一本化が進み始めた現状を報じている。毎日新聞はその一本化作業について、「膝を突き合わせて調整した形跡を感じられない」とする野田佳彦前首相のコメントや、一本化するだけで終わっていて肝心の選挙態勢づくりは進んでいないとする声などを紹介している。その上で参院選はともかく、衆院選挙の準備について野党が大きく立ち遅れている現状を指摘している。毎日記事によると、衆院289小選挙区のうち、立候補予定者がいるのは立憲民主が67、国民民主が56の計123で、全体の半数にも達していない状況という。これでダブル選挙を打たれたら、野党は壊滅状態になるとの小沢一郎氏の指摘もうなづける。衆院選における野党にとっての最大のジレンマは、肌合いの異なる日本共産党の存在に尽きる。与党が政権運営の信任を得るレベルの参院選挙と異なり、衆院選は「政権選択選挙」の意味合いを強く持つからだ。そのため、立憲民主と国民民主のいずれの候補も立っていない小選挙区で、共産候補を統一候補とすることはありえない。仮に共産党候補を野党の統一候補にすれば、野党が勝ったときは共産党が政権入りすることを前提にすることになるからだ。その場合、現与党は、共産入り政権の危険性を徹底的に世間に訴えることになるだろう。同党の暴力体質や過去のこれまであまり一般には顧みられることのなかった恐るべき行動などが、選挙の争点となって浮上することは必然となるだろう。その結果、衆院選では立憲民主、国民民主、社民党で候補者調整するしか方法がない。その候補者自体がまだ整っていないレベルにあることを毎日記事は明らかにしている。

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