松川事件を扱った赤旗社会部

共産党機関紙「しんぶん赤旗」が元号が変わる平成から令和にかけ、社会面で「松川事件70年」と題する記事を上下で掲載した。サブタイトルに「戦後最大の謀略振り返る」とある。70年の節目となるのは8月17日のこととあるので、なぜこの時期に前倒しで掲載したのか理解不能だが、ともあれ、この事件が有名な冤罪事件であることは事実だ。松川事件では同事件を執拗にレポートした作家の広津和郎という人物が有名だ。一方で当時、松川事件と同様に、冤罪事件として同党が盛んに運動した事件として「白鳥事件」がある。ここでも広津和郎と同様、山田清三郎という作家が何冊も本を書いている。だがこのコラムの読者ならおわかりのとおり、この事件は冤罪ではなく、真実の殺害事件だった。日本共産党の地元札幌市の上層部が計画し、特定の警察幹部を射殺した上で、それを松川事件と同じように「権力による謀略事件」としてあべこべに宣伝し、広範な大衆運動を起こしたという、いわくつきの事件であった。日本共産党という殺害犯人が、犯行を正直に自白するどころか、あべこべに冤罪であるかのように開き直った構図の歴史的事件だった。だが同党はいまに至るも、「現在の党とは関係ない」などと三重に開き直っている。赤旗社会部は、松川事件を取り上げるのなら、過去に同様に冤罪を主張した「白鳥事件」のてん末もきちんと書かないと、片手落ちの仕事と言われても仕方がないだろう。

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