日共検証5 綱領をめぐる詐欺師としての振る舞い

日本共産党中央委員会が発刊した『日本共産党綱領集』という書籍がある。1962年に初版が発行され、確認できるだけでも70年まで版が重ねられている。62年時点における党の最高責任者は、野坂参三議長、宮本顕治書記長である。 この書籍には時代時代における同党の綱領が収録されており、当時における最新綱領であった1961年綱領が収められているほか、51年の綱領も収録されている。51年綱領は暴力主義を肯定した歴史的綱領として知られるが、その後の同党は都合が悪くなったためか「あれは綱領ではない。単なる文書だ」などと詐欺的な言い逃れを重ねていることは昨日指摘したとおりだ。 だが、中央委員会が発刊したこの書物でも、51年綱領は「綱領」という名のもとに掲載されている。けっして「単なる文書です」などのただし書きがあるわけでもない。問題となる51年綱領には以下の記述がある。 「日本の解放と民主的変革を、平和の手段によって達成しうると考えるのはまちがいである」 上記書籍では「刊行にあたって」と題する前書き部分で次のように書いている。

「この綱領集は、それぞれの時期におけるわが党の闘争と綱領を知る意義をもつだけでなく、なによりも現在のわが党綱領を、わが党の闘争と綱領の歴史的発展との関連でより深くつかむための重要な文献」

 その重要な文献で、51年綱領は文字通り「綱領」として堂々と掲載されていた。当然ながら党分裂の時代に発刊された書物でもない。宮本氏が実質的な権限をもつ書記長時代に、党中央委員会の名で発刊された党の「最重要」の位置づけの書籍である。

 だがいまの同党は、51年綱領は「単なる文書」と主張する。まるで有権者に対する詐欺師まがいの振る舞いだ。このようなイカサマ政党に、日本を託すことなどできない。

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