自らを誤魔化して生きる政党

本日も日本共産党の言動について取り上げる。実際のところ、同党ほど自らの「理想」を失ったまま、漂流している政党も珍しい。もともとはコミンテルンの日本支部として、日本で共産主義思想を広め、日本を共産主義国にすることを目的としてスタートした政党のはずだが、いまでは産みの親であったソ連が崩壊、30年近くがすぎる。世界の多くの国々で「実験」は失敗。普遍性を持たない哲学、政治体制であることはすでに証明済みの段階ながら、自分たちたけは「高度な資本主義国で実験は終わっていない」旨を強弁し、これまでの行動を捨てようとはしない。要するにどの国にでも通用するイズムでないことをすでに自ら証明しているようなものだが、長年の党員たちを食わせていく責務があるとでも感じているのか、けっして「旗」を捨てようとしない。その姿は、まるで憲法改正に固執する安倍首相の姿と、内容は対極とはいえ、よく似ている。 現在、この政党が共産主義について選挙で語ることはほぼ皆無だ。身内の党員に向かって、ときどき党幹部が高説を垂れる程度で、実際はこの党の実態は「お世話政党」の域を出ない。自分たちの関係機関である病院、税金対策機関、土建業者組合などさまざまなルートを通して有権者のお世話をし、その見返りに票を集める行動である。 現在、党員レベルにおいても、日本を共産主義国家にしようと本気で考えている者はほとんどいないはずだ。要するに自分たちの理念の実現は半ば無理と諦め、観念している現状にもかかわらず、一歩踏み出す勇気を持てない。その結果、自分を誤魔化して生きるしか道がないという現状だろう。こうした行動を人間に当てはめてみると、周りの心ある友人ならば、「お前な、実現できない綺麗事など一度捨てて、もう少し、正直に生きてみろよ」と忠告することになりそうだ。

トラックバック・ピンバックはありません

ご自分のサイトからトラックバックを送ることができます。

現在コメントは受け付けていません。