世の流れに便乗する政治勢力

昨年、新潮社の月刊誌がLGBT(性的少数者)をテーマにした論考などが原因で廃刊に追い込まれたこともあり、性的少数者の問題は社会的にはマイナーなテーマではなくなっているようだ。東京・世田谷区では性転換した区議会議員が存在し、いつも上位当選を果たしており、本人は出版物も出している。そんな流れに便乗しようという政党が出てきたとしても、特段に不思議なことではないだろう。仮に候補者の性別が男であろうと、女であろうと、元男、元女であろうと、本質的な問題ではない。有権者個々がどのように感じるかという感情的な側面はついてまわるとしても、有権者または住民のためにどれだけ働けるのか、役に立っているのかということに尽きると思われる。その意味では、特定の政党や政治勢力が、自らの党勢拡大のためにこの問題を使うとなれば、そこには邪な打算の一面を見られても仕方がない。政治集団として、時流のテーマに「便乗」しているとしか見られないからだ。政治はそんな流行り事で変化するような軽佻浮薄な世界であってほしくない。特に、地方政治の世界は、派手ではなくとも、着実に、淡々と実のある仕事をつづける人物をこそ議員に選びたいものだ。

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