底の抜けた大政翼賛メディア

安倍首相をめぐる一連の問題は、知り合いに対するえこひいきなど公平性のなさという問題よりも、ウソにウソを重ねて国民への説明を繰り返してきた主権者への背信的態度に本質的な問題があると感じられる。 だがそうした首相の姿勢を100%容認するかのような言論を発信し続ける応援団としての媒体も存在する。本日付の新聞広告で「おかげさまで創刊2周年! 今月も朝日と全力で戦います!!」と叫んでいる『月刊Hanada』や、東京新聞の女性記者に対し「共産党の応援団」などと的外れに攻撃している『WiLL』などがそうだ。黒を白といいくるめるかのようなこうした言論は、70数年前の戦前・戦中の雑誌メディアの再来と同じものに感じられる。事実的次元を乗り越えた主張、つまりプロパガンダという意味で同質のものを感じさせるのだ。

朝日新聞を叩き、安倍首相をどこまでも擁護する。事柄の是非や事実的根拠の有無などと関係なしに、真実と虚偽も織りまぜた一方的な態度で、自分の都合のいいように主張する。あるいはそうした言論を垂れ流す――。これらはもはや教祖を盲信する信徒に近いレベルだろう。現代は危険な言論状況にあると今さらながら感じる。

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