歴史修正主義者としての日本共産党

「南京事件はなかった」「慰安婦は強制ではない」などの言説は歴史修正主義とみなされる近年の顕著な動きだ。事実的根拠は存在せず、印象だけを振りまければ目的は達するといった流行りの論法だが、そうした動きにクギを刺す人びとに共産党関係者が多いことは知る人は知っている。ところがどっこい、今日の赤旗日曜版を見て驚いた。「トコトン対談」というページにテレビコメンテーターの作家・室井佑月氏と小池晃書記局長の対談記事が掲載されているが、その中で小池書記局長はこう述べていた。

「社会主義・共産主義というと旧ソ連や北朝鮮をイメージする人が多いと思うんですが、ソ連や北朝鮮は社会主義・共産主義とは無縁です。私たちがめざす未来社会はそれとはまったく違います」――。

腰を抜かすほどに驚いたのは私だけだろうか。この政党が、実は究極の歴史修正主義者であることの証明だ。

よく知られるとおり、日本共産党の出自はコミンテルン日本支部である。コミンテルンを主宰・牛耳っていたのがソ連共産党で、日本共産党はその下部組織のようなものにすぎなかった。同党の過去の新聞記事を少しでも見たことがある人なら一目瞭然だが、ソ連共産党も朝鮮労働党も、日本共産党にとっては「血を分けた兄弟」にほかならなかった。過去には同じ目的である共産主義をめざす「同志」として固い絆で結びついていた事実を否定できる者はいないはずだ。

そうした「絆」をもとに、在日朝鮮人を北朝鮮に帰還させるための帰国運動を主導したのも当時の日本共産党である。当時の機関紙アカハタには「地上楽園」という見出しさえ躍っていた。

こうした関係はソ連との間においても同様で、ソ連社会が資本主義国に比べてどれほど進んでおり、理想の社会であるかがアカハタでは繰り返し強調されていた。

これらは物証に裏付けられた、動かない事実である。

ところが同党の書記局長は、「北朝鮮もソ連も我々には関係ない」と言ってのけている。都合の悪いものにはフタ、他人のふりをしたがる「元兄弟」といったところか。とは言っても、血を分けた兄弟がいくら他人のふりをしたところで、元兄弟の契りが消えてなくなるわけではない。調べればすぐにばれてしまうようなこうしたウソを平気で公の機関紙上で言ってのけるほどに、同党は厚顔無恥だ。またそうでなければ、党勢拡大を図れないとの差し迫った危機感もあるのかもしれない。

共産党は安倍首相ら極右勢力に対し、歴史修正主義などと批判してみせるが、何のことはない。自らも安倍首相らと何ら変わらない「歴史修正主義」そのものの存在であることを、この日曜版は端的に証明している。同党の本質に関心がある向きは、2017年1月14日号のしんぶん赤旗日曜版を大事に保存しておくべきだ。

しかしながら、こうしただれでもわかるウソを記事にする編集関係者、同党幹部は本当に「愚か者」である。

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