捏造加担作家のたわ言

数日前にPHP新書から『「週刊文春」と「週刊新潮」 闘うメディアの全内幕』という書物が発刊されていたようだ。内容は花田紀凱と門田隆将の対談形式となっている。一方は週刊文春編集長をへて、マルコポーロという名の月刊誌をつぶし、いまではアジテーション雑誌の編集長をつとめる人物であり、一方は週刊新潮編集部に在籍した時代、多くの誤報・虚報で無実の人びとを攻撃し、問題視されてきた人物である。結局のところ、この本はそんな二人の傷の舐め合いといった要素が強い。

門田は「私たちは告発者に『人格』までは求めません。重要なのはファクトです」などと白々しく述べているが、そう述べる自分自身が、過去にファクトのカケラも存在しない虚報キャンペーンによって無実の人を傷つけた罪責などには何もふれていない。むしろ門田が『言論のテロリズム』という書籍を出されて批判されたことについて、花田から「告発相手から『言論のテロリズム』と指摘されるというのは、ある意味では週刊誌ジャーナリストにとって勲章ですよね」などと持ち上げられている始末だ。

繰り返すが、花田は虚報で文藝春秋社の雑誌をつぶし、同社を去った人物。門田は虚報キャンペーンで、週刊新潮の編集長になることができず、作家に転身した人物。この二人が互いに「放談」したのが先の新書である。

ある意味、この国の言論界のレベルを後世に残してくれたという意味でよい仕事と思う。

この本には、ファクトの存在しない告発者にまんまと乗せられた門田の自省の言葉など、どこにも存在しない。職業人として、本質的な意味でお粗末な人間である。

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