空手雑感 14

沖縄空手の稽古に何度か参加して感じることは、極真関係者は股関節が柔らかいということだ。私自身180度には到底及ばないものの、定期的な柔軟体操によってかなり開くようになった。考えてみるに、これは競技空手における回し蹴りの効用のように思われる。回し蹴りを蹴るためにはどうしても股関節の柔軟さが必要で、特に上段(相手の顔)を蹴る場合には必須のことだ。反面、古流の型を主体として稽古する沖縄空手では、回し蹴りという概念はもともと存在しない。蹴り技といえば前蹴りが主体であって、さらに関節蹴りがある程度だろう。考えてみれば、空手の「型」の中に、回し蹴りが入っているのを見たことがない。どういうことかといえば、何でもありの実践の攻防においては、前蹴りと関節蹴りくらいしか有効な技としては使えないということだろう。回し蹴りは近年の競技空手(フルコンタクト系)が確立される中で生まれた「新しい技」ということだ。もちろん掴まれる可能性の高い実践の攻防において使うべき技ではなく、「競技」という枠内で使うのに便利な技という意味である。その点で、実践の攻防のみを想定した空手の場合、回し蹴りを稽古する必要性はさほどなく、そのための柔軟体操も行わない。その違いが表れているのだと最近になって納得している。

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