築地市場も広範囲に汚染

東京都が築地市場の111カ所を対象に土壌汚染の調査を行ったところ、初めて、広範囲に汚染されていることが明らかになった。これまで築地市場は現実に生鮮品を扱う市場として稼働しているため、営業中の業者への配慮などから調査が見送られてきた経緯がある。

調査は約20センチのコンクリートやアスファルトを剥がし、地表から約50センチまでの土壌に含まれる有害物質を調べた。その結果、111カ所のうち30カ所に汚染が見つかった。いちばん多かったのが「ヒ素」(20カ所)で、ほかに「水銀」や「六価クロム」も見つかった。「ヒ素」や「六価クロム」は発がん性物質だ。

もともと築地市場は戦後、米軍のクリーニング工場があった場所として知られ、土壌汚染の可能性が指摘されていた。今回の結果をうけ、東京都はさらに最長10メートルまで掘り下げて徹底調査を行い、11月にも最終結果をまとめるという。

一方、こうした状況と逆行する行動をとっている政党がある。昨日、日本共産党は築地再整備に都知事が早く決断するようにと求める申し入れを行った。この政党は、築地の土壌汚染の有無という最低限の調査すら行わないまま、対立軸をつくって票を欲しがるだけの理由から築地再整備を主張するというお粗末さだ。

共産党の申し入れによれば、「地震による液状化などにより汚染が地上に浮上すれば、たちまち商売が成り立たなくなる危険がある」などとして豊洲移転に反対しているが、状況は豊洲も築地も変わらないことが明らかになった。

小池知事は、決断するための大義名分を得たようなものであって、決断を遅らせてむやみに対立構造をつくることに加担するのは、もう止めるべきだろう。

 

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