後出しジャンケンの気楽さ

日本共産党中央委員会の発行する月刊『前衛』の最新号(4月号)が、志位委員長が小沢一郎政治塾で行った講演を全文掲載している。自民党の権化であった小沢氏と共産主義政党がどのように結びついたかを示すものとして興味深いが、利害が一致するとここまで行くのかと驚かざるをえない。志位氏はこの講演で、社会主義について次のように語っている。 「私たちがめざしている社会主義・共産主義とは、つぶれてしまったソ連、あるいはさまざまな問題点が噴出している中国とはまったく違います」。後出しジャンケンの気楽な立場からの、遠吠えにしか聞こえない。1922年、日本共産党はソ連の肝いりで創設され、当初は多くの資金を受け取って活動した。ソ連なくして存在しなかった政党である。ソ連の要人は日本共産党の何に怒りを感じていたかといえば、批判されることではなく、自ら金を受け取っておきながら、その事実を否定するという「非人間的態度」に対してであった。要するに、日本共産党を究極の「恩知らず」とみなしたわけである。 その後継体制である現日本共産党のトップが、「つぶれてしまったソ連」「問題噴出の中国」などと述べているわけだ。言うまでもなく、後から出すジャンケンは絶対に負けることがない。 為政者としての苦労を味わったことのない気楽な集団だ。

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