自主独立の虚妄

日本共産党がソ連共産党の「子ども」として出生した事実は疑いようがない。いま同党は自主独立の党を謳っているものの、98年の党史のうち、実にその半分はソ連に「隷属」した歴史だった。その背景として、同党が資金的にソ連から多くの援助を受けた過去も指摘されている。昨年暮れに出版された『秘密資金の戦後政党史』はそのへんの事情を詳しく説明していて興味深い。元時事通信社の記者が執筆したものだが、それによると、同党は1951年から63年にかけてソ連の公文書などで判明している分だけでも、総額85万ドルの資金援助をソ連共産党から受けていた。この本の著者は現在の貨幣価値では「30億円以上に匹敵する」と指摘する。断っておくが、これは判明している分だけの数字であり、実際はさらにもっと高額であったことは想像に難くない。これに対する同党の過去の弁明も、いつもながらの子どもじみたものである。例えば、受け取ったのは野坂参三や袴田里見のようなソ連に密通した裏切り者による単独行為であり、党としては1円も受け取っていないといった主張だ。そうした小学生並みの言い訳を近い将来、再び志位委員長の口から聞くことになるのだろうか。

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