野党議員の質問について  

少し前の話になるが、先日の衆院予算委員会で、立憲民主党の辻元清美代議士が安倍首相に対し、「鯛は頭から腐る」と述べて、首相が野次を入れたことがニュースになっていた。これに対し、ジャーナリストの門田隆将が23日付の産経新聞で「一国の首相に対して非礼極まりない質問を浴びせ」とコラムで書いているのを見て、非常な違和感をもった。私から見れば、完全に許容範囲内の質問にしか思えなかったからである。要するに批判というのは、相手の状態の程度に応じて批判の言葉は変化するのであり、かなりひどい状況を指摘するのであればそれなりの言葉になることは明らかだ。安倍首相やその取り巻きの権力私物化の状況を見れば、けっして際立って的外れなことでもなく、あれを見て、むしろ違和感を感じなかった有権者も多くいただろう。まして辻元氏はれっきとした国会議員であり、言論の府である国会の場で、この程度の批判を認めないというのであれば、それはむしろ言論の自由の否定行為であろう。選挙の洗礼もへていない一介のジャーナリストが、自分の気に食わない議員だから、強い批判は認めないという狭量さを示しているだけの問題に思える。まして当のこの人物は、週刊誌記者時代には言論の自由をはきちがえてデマ記事であっても平気で垂れ流し、指摘されれば常に言論の自由を盾にして自己弁護してやまなかったいわくつきの人物である。自身が行う行為は許され、野党議員が行うのは許されない。ダブル・スタンダードを地で行くような都合のよさであり、突き詰めれば自己愛そのものの反映であろう。

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