財務大臣のおバカ発言

 「2000年の長きにわたって一つの民族、一つの王朝が続いている国はここしかない」。どこかの国の財務大臣がこんな発言をしたそうだ。この御仁は人類の歴史を知っているのだろうか。世界において「単一民族」の国など存在しないし、日本も同様だ。古代から朝鮮半島在住者の血を多く受け入れてきた。このことは天皇家でさえ例外ではない。その意味で、日本人「も」、混血民族の典型といえる。だがそれらの事実と異なる「単一民族」の幻想を掲げる人間が今も存在するのは、別の政治的思惑がからむ結果であろう。どの世界にも「自民族中心主義」は存在する。自分たちが優れた存在であってほしいとの人間の本源的な希望的欲求に基づくものにすぎないが、そこには自分を普遍化・客観化するプロセスは決定的に欠けている。要するに幼稚、あるいは無知にほかならない。

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