3度目の政権構想

新聞各紙が共産党の党大会が始まったことをニュースにしている。日経新聞は「党創立100周年に当たる22年までに野党連合政権の実現をめざすと打ち出す」などと報じているが、同党がこのような短期スパンの政権構想を打ち上げるのも珍しい。実態はそれだけ尻に火が付いた状況にあると考えるのが正解だろう。すでに同党の足元の組織は高齢化の波にもまれ、相も変わらない機関紙拡大を強制され、ボロボロの状態にあることがよく指摘されている。

戦後の党勢を立て直した宮本顕治はかつて「1970年代の遅くない時期の民主連合政府」を掲げたが、ついぞ実現することはなかった。

さらに90年代後半、不破哲三は「21世紀の早い時期の民主的政権」などと再びぶち上げたが、これも達成されないまま、すでに2020年を迎えている。

今回、志位執行部が打ち出す「2022年までの野党連合政権」構想なるものは、同党にとってはいわば3度目の正直ともいえる政権構想だ。必ずしも政権をとった後の明確な青写真が描けているわけではなく、現実的な目標を前面に掲げることで、党内の求心力を保つことのほうに実体的な意味があるようにも感じられる。

すでに同党の旗印であるはずの共産主義の『旗』はすでにボロボロの状態で、それに代わる実質的な旗が「政権参画」というわけだ。必然的に、共産主義の「旗」を実質的に降ろし、他党との連立政権の樹立をてこ入れの道具に使っているにすぎない。要するに、目先のことしか考えていないという点では、自分たちの時代だけよければそれでよいとばかりに隠ぺい工作を重ねる現政権と変わるところはないのである。安倍政権を倒したらバラ色の政治に変わる。そのように短絡的に考えている有権者がいたとしたら、それもまた幻想であろう。

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