信じるものがコロコロと変わる政党

日本共産党は自称では1922年に創立したと主張している政党であり、当時、ソ連が主導権をもつコミンテルン(国際共産党)の日本支部であった関係で、出自において彼らが信じたものは、ソ連であった。その意味で当時の彼らの「本尊」はソ連共産党だったといえる。世界情勢において当時、社会主義国はすぐには広がらなかったが、戦後、中国や東欧など多くの社会主義国家が生まれた。その中には北朝鮮も含まれる。当時の日本共産党が信じるものは「社会主義諸国」であり、これは創立時とたいして変わらない。ところが1960年代に入り、ソ連や中国との関係がうまく行かなくなると、それらを信じる力は弱まっていったようだ。さらに91年には党創設時の「神様」ともいえた存在の肝心のソ連が崩壊してしまった。加えて北朝鮮が過去に日本人を拉致したことも明らかになった。ここに来て日本共産党は、ソ連や、北朝鮮を信じる対象から外す。その結果、2004年時点で、彼らが期待を寄せる国は、中国、キューバ、ベトナムくらいしか残らなくなった。そして今――。すでに中国さえも信じる対象ではなくなった。このように日本共産党が信じ続けてきたものは、すべてが「誤り」と化した。

いま彼らが信じる対象は、もはや自分たちの未来だけである。どんなに他の共産主義国が間違った先例を残したとしても、自分たちだけは間違っていないと思い込む、幼児的な心理状態ともいえる。その意味で、日本共産党は「大人の政党」ではなく、「幼児の政党」と形容されても仕方がない。仮に同党が「大人の政党」であれば、当然、綱領の内容を抜本的に変更し、党名も変更しているはずである。

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