サイコパスの犯罪

千葉県で起きたベトナム国籍少女殺害事件で逮捕された被疑者が意外な立場にあったことで世間の注目を集めている。決め手となったのは被害者に付着していたDNA型との一致のようだが、手掛かりとなったのは「防犯カメラ」に写った車両映像だったという。もはや防犯カメラは犯罪捜査のためにはなくてはならない手段になっている証左だ。その公道上の防犯カメラを東京都内の自治体で唯一、付けることを拒否していたのが、共産党員の市長であった狛江市の矢野ゆたかという人物であったことも何度かここで紹介してきた。ただしきょうの本題はそこではない。このリンちゃん殺害事件もそうだが、世の中でサイコパスが注目される事件になるかもしれないということについてだ。

ちょうど一昨日、最高裁で木嶋佳苗死刑囚の判決で、死刑が確定することになった。練炭殺人で何人もの男性を殺害し、身勝手に金銭などを得てきた犯行である。直接的な証拠がなくとも、状況証拠で立件されたのも特徴だったが、彼女が稀代のサイコパス女性であることは間違いない。容姿は不美人であるにもかかわらず、人の心理を見抜く術にすぐれ、言葉巧みに男を操作していく。獄中でも2回も結婚したというから、その能力は並外れたものだ。サイコパスにはこのような特異な能力が存在する。

私がサイコパス研究の先駆者であるロバート・ヘア博士をカナダに訪ね、長時間のインタビューを行ったのはもう15年前の話である。サイコパスは100人に一人などとよく言われるが、桁が違って犯罪の多い米国と、日本では単純に比較はできないと博士は語っていた。日本は比率は少なくとも、それでもサイコパスとみなされる異常人格者は優に存在する。

その最大の特徴として、①良心の呵責がない②嘘つき③身勝手な行動――などを挙げることができる。私の身の回りにもそのような人物がいて、目下、臨床データを集めているところだ。

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