ウソとゴマカシの政治

東京都心の一流ホテルで800人規模の後援会関係者を集め、後援会主催の夕食会を開催しながら、政治資金収支報告書に何ら記載を行わず、さらに「ホテルとの明細書は手元にない」などと安倍首相が主張している。こうした子ども騙しのウソで押し通せると考えているのは、国民をバカにしている何よりの証拠であろう。安倍内閣は歴代最長内閣となりそうだが、長く続いた理由はこうしたウソと誤魔化しを多用できたからでもある。その背景にあるのが、役人の人事権を政治側が一手に握ったことによる。出世が気がかりな官僚たちは官邸の意向に逆らえず、政権を延命するために多くのエネルギーを注ぐようになった。日本の政治史における重要な問題は、時の政権を守るためならどんなウソやゴマカシを国民に対して行ってもよいという「悪しき慣例」を半ば定着させてしまったことだろう。その結果、今後たとえ政権が代わったとしても、同じことを次の政権も繰り返すことになりかねない。確かに正直者には首相は長くは務まらないかもしれない。だがこれではあまりにも国民をバカにし切っている。その批判勢力の急先鋒が、97年もの政党としての歴史をもちながら、似たようなウソとゴマカシで組織を存続させてきた代名詞ともいえる「日本共産党」であることは、皮肉な事柄に見える。

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