実態は安倍サマサマの日本共産党

安倍晋三という首相が誕生して間もなく7年(第2次政権)。この間、もっとも恩恵を被ってきた政党の一つが日本共産党である。何より安倍政権の体質は攻めやすい。思想的に正反対であるし、これほど批判しやすい相手はいない。これほど同党を引き立ててくれる人物もいない。安倍首相が集団的自衛権の解釈変更にこだわり、安保関連法を政治課題に浮上させることがなければ、野党共闘もついぞ成立しなかっただろう。

93年に非自民連立政権ができた以降だけで考えても、20年以上にわたり、国政選挙において同党が選挙協力の相手とみなされることはかつて一度もなかった。しかし安倍首相の政策のおかげで、日陰者であった同党にも、野党からの協力依頼が舞い込んだ。その結果、ことしの参院選では大っぴらに野党連合政権の樹立を声高に唱えることができるようになった。まさに安倍サマサマである。このままでは高齢化するばかりだった同党において、「希望」と呼べるような状況はどこにもなかった。だが安倍首相のお陰で、少なくとも当面の間は、初の政権入りの未来構想を語りながら、党員を鼓舞し続けることもできる。これほどの「救世主」がかつていただろうか。安倍首相には這いつくばってでも感謝しなければならない。今後とも安倍政権がしばらく続いてくれることが、同党にとっては最もありがたい状況だ。仮にリベラルな思想をもつ自民党総裁にでも代わってしまう事態となれば、同党の主張はボヤケたものになってしまう。そうした事態は避けたい…。安倍首相の存在は、同党にとって「二〇三高地」といってよいほどに戦略的に重要である。

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