進路はあくまで「不破頼み」の日本共産党

昨日付のしんぶん赤旗に、同党が新たに発刊する予定のマルクス『資本論』改訂版の内容についての鼎談記事が掲載されていた。今回の改訂版の目玉は、マルクスが順序よく発表したものではなかったエンゲルス編集の『資本論』を、エンゲルスが見落とした点を補充したところにあるという。要するに、これまで世界で刊行されてきた「資本論」には欠陥があり、日本共産党が発刊する新たな「資本論」においてこそ、正しい社会主義が実践できるとアピールしたいための内容になっているようだ。だがマルクスの言わんとしたことを多少補ったところで、マルクスの生きた時代と現代とでは大きく様相が異なる。仮にその思想が当時の優れた思想であったとしても、すでに20世紀になされた無数の「社会主義の実験」が、その補充されたわずかな差によって、覆るものでもあるまい。所詮その本質は、同党が「共産主義政党」として日本社会で生き残るためになされる、やむにやまれないプロパガンダにすぎず、あくまで不破路線を継続する限り、こうした方向性しか残されていないということだろう。はっきり言えることは、同党において、日本国の体制転覆(憲法大改正を含む)、あくまで革命をめざすとの方針に何ら変化はないということだ。日本にこのような「異質の政党」が今もって存在することは、与党・野党双方において大迷惑といえる。医療・介護などでどんなに有権者をお世話し、さらに安倍批判票をプラスしてかき集めたところで、この党の本質は何ら変わらない。この「実相」を見ている者と見ていない者では、同党へのスタンスは明らかに変化する。

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