成功体験の存在しないイズム

1917年のロシア革命で、地球上に最初の社会主義国が誕生からすでに100年を超える。地球の3分の1の人口が、社会主義国に住む時代も一時は生まれたが、現在も同様の政治体制を維持するのは、中国、北朝鮮、ベトナム、キューバなどごくわずかの国だけだ。日本共産党の「産みの親」ともいえるソ連は1991年、74年間の歴史を閉じた。1922年に設立されたことになっている日本共産党は、当初、ソ連や中国、北朝鮮をまるで「地上の楽園」のように宣伝し、資本主義国と比較して「天国」であるかのように演出してきた。当時の機関紙などを手にとると、その時代ギャップにだれもが驚かされることになる。だがそうした日本共産党の「夢想」は、厳しい「現実」の前に、見事に砕け散ることになった。いまでは同党は何と言っているか。「ソ連と北朝鮮は、まともな社会主義でない」。往時とは、正反対のことを言っている。いい加減なものだ。さらにその上で、高度な民主主義をもつ国で共産主義を取り入れた実験はまだなされたことがないので、日本でのみ成功体験が生まれうるといった「希望的観測」で同党の維持を図っているのが日本共産党の苦しい現状の姿である。結論からいって、この100年以上の実験をへても、彼らが当初描いたような「夢の国」は一度も現出していない。現実に立脚しないこのような空想主義者たちが政治上の実権を握るとどうなるか。世界は多くの歴史を示している。褒められるような事例があれば、ぜひとも教えていただきたい。

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