足軽会の3人が池田名誉会長の証人申請で試みた立証内容

創価学会の元本部職員3人(小平秀一、滝川清志、野口裕介)が懲戒解雇となったのは2012年10月。彼らは同年12月に解雇無効を訴える裁判を東京地裁に起こし、14年11月に一審で完全敗訴。最終的に15年10月に最高裁で確定したことは既報のとおりだ。その過程で、彼らが池田名誉会長さらに3男の池田尊弘副会長の証人申請を行ったことも一部報じてきた。

元職員3人による池田名誉会長の証人申請の申し出は2014年5月30日に行われ、池田副会長の申請は6月23日になされた。いずれも6月30日の弁論準備期日で「必要なし」として裁判所によって却下されている。元職員3人らの代理人は、池田名誉会長の証人申請について、その立証趣旨を以下のように記していた。

「1、本件懲戒解雇事由とされた、原告ら3名が譴責処分を受けて以降に被告役員・職員らに対して対話を求め続けた行為は、池田大作名誉会長の指導に適った正当な行為であって懲戒事由には該当せず、原告らに対する懲戒解雇処分は無効であること。

2、本件懲戒解雇処分の前提とされた、原告ら3名に対する譴責処分について、「懲戒の対象となる言動」として挙げられた原告ら3名それぞれの言動は、池田大作名誉会長の指導に適った正当な言動であって、懲戒の対象とはならず、原告らに対する譴責処分は無効であること」

要するに、これらは自分たちがなしたさまざまな行動の正当性を、彼らの「師匠」である池田名誉会長自身に法廷で語らせ、“お墨付き”を得ようと企図したものにほかならない。

この証人申請がなされた2014年5月といえば、すでに池田名誉会長が体調を崩し、会員の前に出なくなって4年が経過した時期にあたる。そうした健康状態を承知の上で、あえて自分たちの都合で証人申請を行った3人組――。

もし仮に、証人として採用されていたらどのような事態に陥っていたか。

池田名誉会長自身、法廷に出廷するかどうかで悩むことになったと思われる。そこで聞かれることは、文中の「立証趣旨」にあるように、元職員3人の言動が自身の指導にかなっているかどうかということにあるわけだから、さまざまな意味から困った立場に追い込まれたと思われる。また健康上の理由で出廷を断れば、それは公の事柄となり、マスコミなどでも取り上げられたはずである。

結局のところ、彼ら3人は、言葉では「師匠」と崇める態度を取りながら、実際はその「師匠」を悩ませ、窮地に追い込みかねないような行動を平気でとっていた。そもそも彼らの言動に対し、池田名誉会長に直接の責任があるとはとうてい思えない。

自分たちの「正義」のためには、どんな相手でも平気で利用していられる。彼らの“猫なで声”の行動の背景には、どこまでいっても自己本位の気持ちしか見えてこない。

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