コミンテルン発足100周年の月に

1919年3月にコミンテルン(世界共産党)の組織がレーニンに手によって設立されてから100周年の月を迎えた。結成されたのは3月4日とされているようだが、100周年を迎えても世間的にはなんの取り上げ方もされていないようだ。不思議なことである。戦後の一時期には世界の3分の1を占めた共産主義・社会主義勢力。世界を共産化しようという世界革命の野望のもとでコミンテルンは結成され、日本共産党はその支部として、1922年に結成された。だがその日本共産党も、この慶事をなにも語らない。なぜだろうか。答えは簡単。この壮大な試みは完全に歴史的にも「瓦解」したからである。日本共産党にとってこのことに触れることはそのまま「自己否定」につながる結果となるので、逆に、言わないほうが得策と考えているとしか思えない。 不破哲三は、日本共産党という同じ名称で95年間も続いてきたことは誇るべきことなどと自慢してきたが、変わっていないのは名前だけで、その内実は180度変化してきた。当初は世界を共産革命するその「一員」として日本に設立された日本共産党だったが、その壮大な野望は完全に潰えてしまい、日本という島国でガラパゴス化した本来の共産党の「変形」にすぎない政党が、日本共産党として「化石」のように生き長らえているだけである。 この政党の本質は、単に、存続することだけを自己目的化した政党にしか、私には見えない。

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