産経社説の判断能力のレベル

本日付の産経新聞は北海道地震による全停電の問題を取り上げ、原発が稼働していたらブラックアウトには至らなかった可能性が高いと主張し、「状況を俯瞰すれば、原発の稼働に伴うリスクを原発の長期停止によるリスクが凌駕しつつある」などと述べている。まったくもってこの新聞の原発傾倒ぶりには呆れるばかりだ。

北海道地震によって、発電量と消費量の不一致によってブラックアウトが起きることは広く明らかになった。その結果、不安定な電力源である太陽光や風力などの再生可能エネルギーではこうした問題に対処できないため、原発をもっと活用せよというのが産経社説の主張である。

常識で考えて、原発のリスクでいえば、東日本大震災の例を見るまでもなく、その被害や影響は数十年にも及ぶ。一方で北海道地震で起きた全停電はせいぜい数日程度のものだ。時間的な規模を比較しただけでも、上記のような「凌駕しつつある」などの認識はどこからも生まれない。

ましてや東日本大震災の被害は、偶然にも「最小」で済んだというのがふつうの認識のあり方であり、本来なら東日本全体が壊滅しておかしくない状況だった。

そのような原子力発電の危険性を顧みず、いまだに称賛してやまないこのような新聞こそ、日本を再び破滅に導きかねない「亡国の新聞」であり、「逆賊の新聞」と言っておかねばならない。

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