女性市議と窃盗症の関係

新聞や雑誌で「万引き」の文字を目にすると、私はある女性市議のことを思い出す。東京・東村山市に20数年前に存在した人物のことだが、1995年9月1日の夜にビルから飛び降り自殺を行った。この女性市議には同じ会派の同僚市議がおり、2人の人間関係がこの事件に微妙な影響を与えたと見られている。このころ女性市議は、市内の衣料店で1500円のTシャツを「万引き」して警察沙汰になっていた。

専門家によれば、万引きはお金がなくて欲しい物を違法手段で手にいれるという、ふつうの人間が考えるようなパターンばかりではない。職業的にも経済的にも何の問題もない者が、常習的に窃盗に手を染めることがある。要するに、財布には1万円札が何枚も入っているにもかかわらず、盗みを犯罪と認識していながら、わずか数千円の品物を「万引き」してしまうといったケースである。

上記の女性市議の行動は、そうした犯行の典型と今となっては思えてくる。当時、この女性は自殺ではなく、創価学会に殺されたなどと何らの事実的根拠もないままにオウム真理教事件の便乗商法として取り上げられて有名になった。

当時、女性は、個人的に大きな心的負担を抱えていた。その結果の万引きであり、自殺行動であったとも思われる。時は1995年――。いまから23年前の話になるが、「窃盗症には医療支援を」(毎日新聞・7月11日付)の見出し記事を見て、この女性市議のことを思い出した。

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